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つみたてNISAとは2018年に始まった、投資信託の利益を非課税で受け取れる制度です。
毎月3万円をつみたてNISAに回せばそれだけで1,000万円以上積み立てられ、とても注目されています!
この記事では、つみたてNISAとはどのようなものか、更にその6つのメリットや、リスクをわかりやすく説明していきます。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは最長20年間、投資から得た利益が非課税になる制度です。
長期の資産形成を後押しする目的で作られた制度で、低金利、インフレの進行、公的年金の不足が不安しされる現在とても注目されており、国内総口座開設数は100万を超えています。
つみたてNISA口座数(2019年9月末時点) つみたて
NISA
口座数
(2019年9月)2019年6月末
からの
増加率2019年6月末 総数 170万
5,900
口座16.0% 147万
872
口座20歳代 27万
1,058
口座17.7% 23万
275
口座30歳代 42万
8,987
口座16.4% 36万
8,405
口座40歳代 44万
2,069
口座15.8% 38万
1,604
口座50歳代 30万
8,701
口座16.9% 26万
4,137
口座60歳代 16万
6,743
口座13.5% 14万
6,972
口座70歳代 7万
6,296
口座11.8% 6万
8,248
口座80歳代
以上1万
2,044
口座7.2% 1万
1,231
口座
それではつみたてNISAにはどのようなメリットがあるのでしょうか?注目されている理由を説明していきます。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAの6つのメリット
-
投資の利益が非課税に。
-
複利効果で年を経るごとに利益が増える。
-
リスクが非常に少ない。
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投資信託が低リスクな164銘柄に厳選されている。
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ほとんどチャートを見る必要がない。
-
世界経済成長は絶対に成長する。
①投資の利益が非課税に。
つみたてNISAの最大のメリットは投資信託の利益が20年間非課税になることです。
NISA制度を使わない場合、日本では投資の利益のうち20.315%が税金として徴収されます。
例えば投資で一月に2万円の利益が出た場合、日本ではそのうち4,000円を税金として払わなくてはなりません。
しかしつみたてNISAではこの税金を支払う必要がなくなり、この例の場合一年間で48,000円がお得になります。
ただ、非課税枠が40万円であること、つまり非課税の対象は年間40万円までの投資に対する利益ということだけは注意しましょう。
②複利効果で年を経るごとに利益が増える。
また、つみたてNISAは長期積立なので、複利効果で利益が年を経るごとに増えていきます。
複利効果とは?
投資で得られた利益をそのまま再投資することで、より大きな利益が生まれる現象を言います。
利益をそのまま回収すると、はじめの元本にしか利益が出ませんが、利益を再投資することで、利益にも更に利益がつき、それの繰り返しで膨らんでいくイメージです。
図を見るとわかりやすいでしょう。
この図では利益を回収する単利なら毎年10万円が増えていく計算ですが、複利の場合は(10万円+利益)に利率が掛け算されていきます。
年率5%と仮定すると、毎月3万円積み立てれば、20年後には502万円の利益、1,223万円積み立てられます。
③リスクが非常に少ない。
投資で気になるのが「リスク」ですが、つみたてNISAはとても低リスクな投資信託です。
なぜならつみたてNISAは長期投資だからです。投資は長ければ長いほどリスクが少なくなります。
これはドル・コスト平均法という理論により立証されています。
ドル・コスト平均法とは?
購入金額を一定にすることで、金融商品の値段が下がったときに大量の銘柄を買えます。
それら安値で買った株が値上がりすれば、普通に買うより多くの株が高値で手に入るという理論です。
長期で運用すれば、それだけ値上がりのタイミングも多くなり、結果としてリスクも減ります。
実際に金融庁の調査でも、投資は期間が長くなればなるほどリスクが減っていますね。
一般にイメージされる投資とは違い、リスクが少ないつみたてNISAは投資初心者の方にもとてもとっつきやすいでしょう。
④投資信託が低リスクな164銘柄に厳選されている。
つみたてNISAは投資信託と上場投資信託(ETF)で運用しますが、両者併せて6,000銘柄以上あります。
これではあまりに多すぎてどれを選べばいいかわからないですよね。
そのためつみたてNISAでは金融庁に積立投資に向いた商品 164銘柄が厳選されており、通常の積立投資と比べ、格段に商品を選ぶのが簡単になっています。
また厳選された銘柄はプロからも支持されている銘柄です。
人気投資信託ランキング「投信ブロガーが選ぶFund of the Year 2019」上位の銘柄は10銘柄中8銘柄が揃っています。
正直この中から選ぶだけでも十分資産形成できます。
順位 | 銘柄 | 利用可否 |
1 | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
○ |
2 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | ○ |
3 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | ○ |
4 | <購入・換金手数料なし> ニッセイ外国株式 インデックスファンド |
○ |
5 | eMAXIS Slim バランス 8資産均等型 | ○ |
6 | 楽天・全米株式 インデックス・ファンド (愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) |
○ |
7 | セゾン・バンガード・ グローバルバランスファンド |
○ |
8 | グローバル3倍3分法ファンド (1年決算型) |
☓ |
9 | バンガード・トータル・ ワールド・ストックETF(VT) |
☓ |
10 | SBI・バンガード・S&P500 インデックスファンド |
○ |
また、これらのつみたてNISAで投資できる銘柄の殆どが、インデックスファンドと言われる低リスクな銘柄です。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは日経平均やS&P500などの株式指標に寄せていく投資信託です。
市場平均以上の儲けが出ないため、大きな利益は出にくいですが逆に大きな下落もありません。
また、複数の銘柄に投資されているため、いくつかの会社の業績が悪化しても大きな損失にはなりにくく、リスク分散になります。より詳しくはこちら
勿論インデックスファンドの中でも特に安定して高リターンの米国株式、中でも特に低リスクなバランス型ファンド比較的高リスクだが爆発力のある新興国株式など、様々な種類のものが用意されています。
各種インデックスファンドのリスクとリターンのイメージ
⑤ほとんどチャートを見る必要がない。
これはつみたてNISAというより長期投資全般のメリットです。
「投資」というワードを聞くとチャートに四六時中張り付く場面をイメージされる方も多いと思います。
しかし、つみたてNISAは一件の投資信託を長期保有し、頻繁に売却することはまずないため、毎日チャートを見る必要はありません。
毎日売り買いしなくてはいけない短期株式投資と比べると圧倒的に楽です。仕事に追われるビジネスパーソンの皆さんにはすごくありがたいですね。
⑥世界経済は絶対に成長する。
長い目で見ると世界経済は必ず成長します。世界全体で見れば技術革新や人口増加に沿って生産が増大しているためです。
世界経済の成長に伴い株式相場も上昇し、それに沿って運用されるインデックスファンドも長期的には必ず成長します。
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引用元: 「Google」
特に米国経済の成長は著しいです。
S&P500と呼ばれる米国株で最もメジャーな指標の過去5年間の推移ですが、5年前と比べて1.5倍以上伸びています。
2020年2月以降はコロナウイルスの影響で暴落していますが、それでも2015年と比べものにならないほど多いです。
つまり、指標に沿ったインデックスファンドを運用している限りつみたてNISAで損をする可能性は限りなく0に近いのです。
つみたてNISAのデメリット
つみたてNISAの2つのデメリット
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損益通算と繰越控除ができない。
-
一気に大きな利益は出ない。
①損益通算と繰越控除ができない。
つみたてNISAでは「損益通算」と「繰越控除」ができません。
損益通算とは?
損失が出たときそれにかかってくる分だけ、別途利益が出た際の税金を減らせます。
損失の繰越控除とは?
通常の株取引や投資信託では3年間に渡り損失の繰越控除が適用されます。
損益通算の仕組みの説明

まずは、NISA口座ではない通常の口座、A口座とB口座の2つの口座を運用するとしましょう。
ここでA口座で30万円の利益が出て、B口座で30万円の損失が出た場合、利益にかかる20%の税金はかかりません。
損益通算で口座の利益にかかってくる税金をB口座の損失分で相殺できるためです。
しかし、B口座がNISA口座だったとすると損益通算は適用できません。
A口座の利益にかかる税金6万円を収める必要があり、結果として課税口座を使う場合と比べて損をします。
特に課税口座で投資されていた方はこの2つができないことは頭に入れておきましょう。
「損を補う手段がない。」というと聞こえがわるいですが、つみたてNISAはそもそも損をする可能性そのものが課税口座での株式投資より遥かに低いです。
総合するとかなりリスクが少ない資産形成手段であることは変わりがないでしょう。
②一気に大きな利益は出ない。
長期投資なので当然ですが、つみたてNISAはすぐに大きな利益は出ません。あくまでコツコツと積立てていくのがつみたてNISAのセオリーです。
短期で一気に儲けたい方にはデイトレードなどの短期投資をおすすめします。
iDeCoとの比較
積立投資の手段で、もう一つ有名なものがiDeCoです。
iDeCoは「個人型確定拠出年金」の略で、いわば「自分で積立てていく年金」です。

ゆうた
あれ?こっちも積立だよな?つみたてNISAとどう違うんだ?
この2つは「引き出し頻度」と「期間」、「節税効果」の3点が大きな違ってきますが、それぞれ下記の様な人が向いています。
iDeCo…「60歳より先の老後の資産形成を目的に貯蓄したい人」
どちらが自分に合っているのか、しっかり選んだ上で運用しましょう。
より詳しく「つみたてNISA」と「iDeCo」の違いを比較したいという方は、以下の記事を参考にしてくださいね。
まとめ
まとめ
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つみたてNISAは年間40万円分の非課税口座を20年間運用し、資産を形成する制度。計算上年率5%で1200万円積み立てられる。
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つみたてNISAは低リスクなインデックスファンドを長期運用するので非常に低リスク、世界経済は成長するため利益になる確率が高い。
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つみたてNISA口座は損益通算と繰越控除ができないため注意。また、iDeCoとの比較も必要。