5 STEPでマスター
この記事では、これから投資を始めようと思っている人が感じる投資に対する以下の疑問にお答えしていきます。
「そもそも投資って何?」
「なぜ投資をする必要があるのか?」
「老後に必要な資金は?」
「初心者にはどういった投資がオススメなの?」
こうした疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
そもそも投資とは?
基本的な所ですが、そもそも投資とはどういった意味でしょうか?
金融庁によれば、投資とは、利益を見込んでお金を出す事です。
たとえば、今、みなさんが持っているお金で株式や金(きん)、不動産などの資産を購入し、その購入した資産の価格が上昇する事で得られる差額や、資産を保有する事で得られる利益を得る行為が投資です。
株式投資の場合、株の値上がり益や配当金を得る事が目的ですよね。
近年、日本において声高に投資の必要性が叫ばれていますが、そもそもなぜ投資をする必要があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
なぜ投資をする必要があるのか?
投資は主に「お金を増やす」事が目的です。投資を行っている人の多くは、このお金を増やす目的の違いで2種類に分ける事ができます。
1つは、単にお金を儲けたい人
2つ目は、将来のライフイベントや老後の資金を確保したい人
単にお金を儲ける目的で投資を行う人は昔もいましたが、今、投資を始めている人の多くは、2つ目の将来のライフイベントや老後の資金を確保する為に投資を始めています。
おそらく、皆さんも将来の為に投資を始めようと思ってるのではないでしょうか?
近年、政府が国民に投資を推奨しているのも2つ目の理由です。
では、将来のライフイベントや老後の生活費の為には、具体的にどの程度の資金が必要なのでしょうか?そもそも投資ではなく年金ではダメなのでしょうか?
さらには、単に投資といっても種類はたくさんありますが、初心者が始めるのに最適な投資とは一体何なのでしょうか?
将来のライフイベントや老後にかかる費用
将来のライフイベントにかかる費用
ライフイベントとは、人生での大きな出来事を指します。出産・子育て・就学・就職・結婚・住宅購入などがライフイベントに該当します。
こうした将来のライフイベントにかかる費用は急に必要になったからと言って支払えるような金額ではなく、計画的に資産形成を行なって貯めていく必要があります。
たとえば、子供の就学は大きなライフイベントの1つですが、皆さんは子供1人を幼稚園から高校まで通わせるのにどれくらいのお金がかかるか分かりますか?
実際に、子供1人当たりの幼稚園~大学までの学習費用を見てみましょう。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 23万4千円 | 48万2千円 |
小学校 | 32万2千円 | 152万8千円 |
中学校 | 47万9千円 | 132万7千円 |
高校 | 45万1千円 | 104万円 |
合計 | 約540万円 | 約1,770万円 |
(出典:文部科学省・平成28年度子供の学習費調査)
子供1人を幼稚園から高校まで公立学校に通わせるには約540万円のお金が必要になります。
また、今はほとんどの学生が大学に進学しますが、自分の子供を大学に通わせる場合には国立大学は4年間で約240万、私立文系は約400万円、私立理系なら540万円ほどお金がかかります。(※3)
大学費用にしても、いきなりぽっと400万円ものお金を支払う事はできないですよね。
こうした学習費用はすぐに貯めれるようなものではなく、長いスパンで長期的に貯蓄する必要があります。
こういった長期スパンでお金を確保したい場合に、投資は非常に有効な手段となります。
実際に投資を始める場合には、こうした将来起きるライフイベントで必要になる金額を明確に把握した上で、逆算して投資をしていく必要があります。
老後の生活に必要な資金
多くの方が老後に安定したゆとりのある生活を送る為に投資を始めますが、一体、どれくらいの人が“老後に安定したゆとりのある生活”の為に必要な資金を把握できているでしょうか?
そもそも年金ではダメなのでしょうか?
この問いの答えを、話題の2000万問題を元に考えていきましょう。
2000万問題とは、2019年6月3日に金融庁が公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書に端を発した問題です。
どういった内容か簡単に説明すると、「退職した高齢夫婦が年金等の社会保障給付を受けて生活する場合、毎月もらえる実収入以上に支出が発生してしまう、具体的には毎月5.5万円の赤字が発生するので、老後30年間生活するには年金とは別に約2,000万円ほどの老後資金が必要だ」といった内容です。
ニュースで大体的に報じられたので、すでにご存知の方もいらっしゃると思います。
確かに、これだけ見ると「老後に2,000万円必要なの!?」となりそうですが、この数字はあくまで平均的な高齢夫婦の生活スタイルを元に設計されたものです。実際にあなたが必要になる老後資金は、将来の生活スタイルによって大きく異なります。
また、年金だけでなく企業に勤めている方であれば退職金もあります。
つまり、大事なことは平均的な人の場合は老後資金が2,000万円必要なのであって、あなたが老後資金2,000万円必要とは限らないということです。
実際に自分がどれくらいの老後資金が必要なのかは簡単に計算できます。
老後に必要な資金計算
(出典:総務省 家計調査報告(家計収支編)平成30年(2018年))
上の図から実際に高齢者の収支を知る事ができます。
老後にもらえる平均的な年金額は一般的な高齢夫婦の場合で約20万円です。一方で、1ヶ月の生活資金は夫婦2人の最低日常生活費が平均で月額22.1万円、ゆとりある老後生活費は平均で月額36.1万円です。
ゆとりのある老後生活費とは、「旅行やレジャー」「趣味や娯楽」などの費用が含まれたものです。このいわゆる「ゆとりの為の上乗せ額」は皆さんがどのような老後生活を送りたいかで変動しますので、一度ご自分で考えてみてもいいでしょう。
では仮に、老後の日常生活費+5万ほどの「ゆとりの為の上乗せ額」をプラスした約27万円の場合に必要な老後の貯蓄額を計算してみましょう。
毎月の生活費:約27万円
年金支給額:約20万
毎月赤字:約7万
期間:25年(65歳〜90歳まで)
退職金:約2000万円(※5)
毎月の生活費約27万円に対して年金が約20万円ですので、毎月7万円の赤字になります。65歳で退職して90歳まで25年間夫婦で生活した場合、約2100万円ほどの赤字になります。
退職金が約2000万円ありますので、差し引き、約100万円のお金が足りないという計算になります。
この場合は、足りない100万円分を投資で増やそうと判断する事ができます。
もちろん、人それぞれ年金や月々の生活費、退職金などは異なってきますので、ご自身でも一度老後に必要な資金を計算してみる事をオススメします。
退職金の減額や「少子高齢化」による年金の払い手である現役世代の減少等、今後本当に年金だけに頼って生きていけるのかという問題もあります。
つまり、投資というのは、こうした老後の生活や将来のライフイベントを考え、自分や家族の将来は自分で考えて、早いうちから少しずつ始めておく事が大事だと言えるでしょう。
初心者にオススメの投資は?
ここまでの説明で、「老後やライフイベントに備えて早いうちから投資を初めておくのは大事だ」という事は理解できたかと思います。
しかし、理解できたからと言ってすぐに投資をスタートできる訳ではありませんよね。
実際に「投資を始めよう!」と思っても、ひとえに「投資」と言っても「株式・不動産・債券・投資信託」等数えきれないほど種類が豊富で、具体的に何からどう始めていいのかまったく分からないですよね。
分からなくて当たり前ですので、ご安心ください。
では、次の第2回以降で、これから実際に投資を始めようと考えている方に向けて、具体的に投資初心者にオススメの投資方法を紹介していきたいと思います。
先に言っておきますが、これから投資を始めようと思っている初心者には投資信託の一種である「インデックスファンド」と呼ばれる投資商品が最適です。
次回以降で、「インデックスファンドとは何か?」「なぜ初心者に最適なのか?」「具体的にどうやって投資すればいいのか」を徹底解説していきます!
参考文献
1:出典:金融庁公式サイト『投資の基本』
2:出典:文部科学省『平成28年度子供の学費調査』
3:出典:一般社団法人全国銀行協会『大学費用の準備、今からでも間に合いますか?』
4:出典:金融庁『市場ワーキング・グループ』報告書
5:出典:総務省 『家計調査報告(家計収支編)平成30年(2018年)』
6:出典:厚生労働省 『平成30年就労条件総合調査』
7:出典:厚生労働省『平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 』