8 STEPでマスター
今回から『株の始め方(全8回)』を通して、株式投資についてじっくり勉強していきましょう。
第1回目の今回は、「株とは何か?」について学んでいきます。
第1回で学べる内容
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株とはそもそも何か?
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株主になって獲得できる権利
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株を取引する株式市場について
株とは?そもそも何?
株は会社がお金を集める手段!!
株は、株式会社が事業に必要な資金を集める為に発行する証明書の事です。
正式には株式と言います。
会社が事業を行うにはたくさんの資金が必要になります。その必要となる資金を集める手段として、会社は株を発行して投資家から資金を集めます。
投資家はその会社の株を保有する事で、正式にその会社の株主となります。

りな先生
具体例を出して説明するわね!
自動車を製造販売してるA社が、新たに自動運転車を1000台製造する事にしました。
しかし、新たに自動運転車を1000台製造するには、材料の調達や設備投資、優秀な人材の確保などたくさんの資金が必要になります。
そこで資金を集める為に、A社は投資家から資金を募ります。
実際にお金を投資してくれた投資家には「あなたはお金を出しましたよ!!」という証明書として、A社が投資家に対して株式を渡し、投資家は正式にその会社の株主になります。
このように、会社に投資してくれた人に渡す証明書を株(株式)、株と引き換えに特定の会社に投資する事を株式投資といいます。

ゆうた
う~ん、でも会社は銀行とかからお金を借りる事もできますよね?

りな先生
そうね!でも銀行からの借り入れと違って、株は返済義務がないというメリットがあるのよ!
銀行借入と株式発行の違い
会社の資金調達方法は様々で、例えば銀行からお金を融資してもらう事もできます。
しかし、銀行からお金を融資してもらうという事は、銀行から借金をしている事と同じですので、借りた分のお金は負債になり、毎月元本や利息分を返済しなければなりません。
一方で、株式を発行して資金調達を行う最大のメリットは、株式発行で調達した資金は返済する義務がないという事です。
なので、会社にとって銀行からの借入金は負債扱いですが、株式発行によって得た資金は企業の純資産扱いになります。

ゆうた
なるほどですね。でも自分のお金が返済されないなら、なんで投資家は株を買うんですか?

りな先生
実は株主になると色々と良い事があるのよ!
株主の3つの嬉しいポイント

(参考:SBIネオトレード証券|株とはより)
投資家が会社の株を購入する理由は様々ですが、主には以下の3つの理由があげられます。
株主の3つの嬉しいポイント
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株主=会社のオーナーになれる!
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会社が成長すれば株価が上がる!
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株主優待や配当金がもらえる!
①株主=その会社のオーナー!
特定の会社の株を1株でも保有していれば、その会社の株主になる事ができます。
株主になれば、「共益権」というその会社の意思決定に参加できる権利を獲得できます。
なので、株主になると株式会社の最高意思決定機関である株主総会に参加し、取締役などの役員を選んだり、会社の経営方針に関する決議にも参加できるようになります。
ただし、基本的に株主総会での決議は多数決で行われます。
100株で1議決権のように、保有してる株数に応じてより大きい影響力を行使できるようになってますので、保有株式数の少ない個人投資家の意見はあまり通りにくいという現実もあります。

りな先生
ちなみに株をたくさん持てば持つほど、株主総会で与える影響も大きくなるわよ!
②会社が成長すれば株価が上がる!
皆さんがよく目にする「株価」は、その会社の株を買いたい人と売りたい人の需要と供給で決まります。
成長している会社の株は誰もが欲しがり、その株を買いたい人が多ければ株価はドンドン上がっていきます。
一方で、あまり調子の良くない会社の株は売りたい人が多くなりますから、株価は下がっていきます。
将来成長する会社の株を事前に購入して株主になっておけば、後でその会社が成長して株価が上昇した時に、その差額分を儲ける事ができます。

(参考:楽天証券|値上がり益の魅力)
株を購入する投資家の多くは、この株価の変動を利用して儲ける事を目的に、株を始めます。
この株で儲ける仕組みについては、『株で儲ける方法とは?(第2回)』で再度詳しく紹介しますね。
実際テレビなどでよく紹介されてる、「タレントの〇〇さんが株式投資で30万円を数百万に!」というのは、この株価の変動を利用して利益を出してる場合がほとんどです。

ゆうた
僕も株式投資といえば、このイメージですね。
③株主優待や配当がもらえる!
株主になるとその会社から配当を受け取れる、配当請求権という権利を獲得できます。
もちろん、全ての会社が配当を実施している訳ではありませんが、事業で出た利益を株主に分配する「配当」は、多くの会社が実施しており、中には配当利回りが5%を超えるような銘柄もあったりします。
また、特定の会社の株を購入して株主になると、その会社の自社商品やサービス・割引券・クーポンなどがもらえる場合があります。これがいわゆる「株主優待」です。
株主優待の種類は本当にバラエティー豊かで、株主優待目当てで株を始める人も大勢います。
具体例として、いくつか面白い株主優待を紹介しますね。
事例②:マクドナルドやスカイラークなどの飲食店はタダでご飯が食べれるチケットがもらえる。
事例③:大手芸能事務所アミューズの株主優待は、アミューズ主催の音楽フェスへの抽選招待券。
事例④:おもちゃメーカータカラトミーの2018年の株主優待は、一般販売してない限定の「トミカ」「リカちゃん人形」。

ゆうた
経営に参加できたり、値上がり益や配当・株主優待で儲ける事ができるんですね。

りな先生
配当金や株主優待は全ての会社が行っている訳ではないから、事前にきちんと確認する必要があるわよ!
株主の権利についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
株はどこで取引されてるの?
株の売買を行う市場を株式市場と言います。
日本は、札幌・東京・名古屋・福岡の4箇所にそれぞれ証券取引所を持っています。
特に有名なのは東京証券取引所の一部や二部ですよね。ニュースでも「東証一部、東証二部」なんて言ってるのを聞いたことがあると思います。

ゆうた
東証一部って、株の取引が行われてる市場の名前だったんですね。
我々、一般投資家や世界各国の投資家が証券会社を通して行った注文が、この証券取引所に集まる事で、スムーズに売買相手を見つけて取引できるようになっています。

ゆうた
日本の株式会社の株は、全部証券取引所で買う事ができるんですか?

りな先生
基本、証券取引所に上場してる会社の株しか売買はできないわよ。
上場してる会社の株は売買できる
「上場」という言葉は、人生で一度は聞いた事があると思います。
上場とは、その会社の株式が証券取引所で公開され、誰もが自由にその会社の株式を売買できるようになる事を指します。
例えば、2018年6月19日にフリマアプリの「メルカリ」が、東京証券取引所の成長企業向けの株式市場マザーズに上場しましたが、この上場によって、一般の投資家は株式会社メルカリの株をマザーズで売買できるようになりました。
逆に、証券取引所に上場してない株は未公開株と呼ばれ、一般の投資家が購入する事はできません。もちろん、その会社の株を保有してる社長から直接購入する事はできます。
日本全国に約170万社もの株式会社があると言われてますが、2020年1月現在、東京証券取引所に上場している会社の数は合計3,702社です。(※JPX)
会社が上場するには、株主数やその会社の時価総額がいくら以上などの厳しい条件があります。
逆に言えば、すでに上場してる会社はこの厳しい条件を突破した会社ですので、我々投資家も安心して投資する事ができます。
特に、ベンチャー向けのマザーズ・ジャスダック、中堅企業向けの東証二部、日本を代表する名だたる大企業が名を連ねる東証一部の順で、上場ルールがより厳しくなっていきます。

ゆうた
就活で学生に東証一部上場企業が人気なのも、こうした理由からなんですね。

りな先生
そうね!一部上場企業は会社の規模も時価総額も厳しい基準が適応されるから、その分、会社の知名度や信頼性は高いわよね。
第1回のまとめ
それでは、ここまでの内容を一度まとめますね。
まとめ
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株とは、会社が事業に必要な資金を集める為に発行する証明書
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株主になると、会社のオーナーとして株主総会への参加や、株主優待や配当金がもらえる
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会社が成長すると株価が上がる。差額分は利益になる。
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株の売買は株式市場で行われる。日本は特に東京証券取引所が有名。

りな先生
次回は、この株で利益を出す3つの仕組みについて、詳しく見ていきましょうね!