これから株を始める人には、それぞれ「株を始める目的」があると思います。
今回はそうした「株を始める目的」や「投資できる資産」「投資に使える時間」などを総合的に判断した上で、それぞれに適した株のやり方、始め方を紹介していきます。
あなたの株の目的はなんですか?
最初に自分がどのような「やり方」で株に投資していくのか決めるために、まずは自分が「投資をしている姿」を明確にイメージする必要があります。
下記の3つの項目を考える事で、明確なイメージを持てるようになります。
自分はどれくらいの資金を使えるか?(How much)
自分はどの時間帯に投資できるか?(When)
この3つはあなたの「投資のやり方」を決める基準であり、これを明確に持っているかどうかが今後の投資の成否を決める分岐点にもなりえます。
長期的に安定した資産形成がしたいのに、短期のデイトレード前提で商品を買ってしまったら?
自分の投資目的とそぐわない取引スタイルを選んでしまうと、やりたい事とやってる事が合わずに無駄に投資して、失敗してしまう事もあります。

りな先生
なぜ投資をするのか?を明確にする事は大事よ。
1.Why?〜自分がどのような目的で投資するのか?〜
単純に「株式投資」と言っても、「短期で大きな利益が欲しいのか」「将来のために貯蓄を増やしたいのか」など、様々な目的に使えますし、また、その目的によって株のやり方は大きく変わってきます。
老後のお金がほしいのになんとなくで短期投資向けの銘柄に投資してしまった・・・・、となった場合。もしそれで日々のトレードをおろそかにしてしまえば、大損することに繋がりかねません。
そのような事態を未然に防ぐためにも「自分が何を目的に投資するのか」をはっきりさせた上で株式投資に取り組むようにしましょう。

かおる
そうは言ってもどこから考えていけばいいんですかね?少し不安です・・・。

りな先生
最低限、下の項目がしっかりしてたら、自分のやり方は十分に決めることができるわ!
株式投資の目的
- 投資の利益を何に使うか。
- 短期か長期か
- インカムゲインを求めるか
一言で「株で儲ける」と言っても、もう一歩踏み込んで「何がほしいか」を考えてみると、「老後の資金にしたい」「本業以外に収入がほしい」「優待を楽しみたい」など、これだけ人によって違いがでてきますし、銘柄ややり方も変わってきます。
同じ「100万円稼ぎたい」でも「1年以内に絶対必要」と「老後までにたまってたらいいや」では全然違います。
配当金や株主優待を狙いに行くなら1年以上株を保有する事になります。つまり、短期投資では難しいです。
また、こういった自分の動機を具体化していくことはモチベーションを保つためにも有効です!
株を始める目的に何が良いか悪いかはありません。大切なことは「あなたがどうなりたいか」これを明確にしておけば投資ライフがどんどん楽しくなっていきます!
2.How much?〜自分はどれくらいのお金を投資するのか?〜

かおる
お金はあるし、少しずつ勉強しながら始めていって大丈夫ですか?

りな先生
始めるのはいいんだけど、最初は少額からやっていくのがオススメよ。
自分が株式投資に何を求めるか、投資をする目的をはっきりさせれたら、次は「いくらぐらい投資するのか」を考えていきましょう!
株式投資といえば、「お金がいっぱい必要なんじゃないの・・・。」などと思われがちですが、実際はそうではありません。
「第1回」でも少し触れましたが、株価が低い低位株(ていいかぶ)なら10万円程度の少額資金で十分始められますし、1万円や1銘柄から投資を始めれるミニ株や単元未満株など少額向け商品もしっかり用意されています。
最初に投資した金額は?
引用:「マイナビウーマン調べ(2015年6月実施/有効回答数300件)」
以上の調査でも、先輩トレーダーの方々も多くは10万円以下の資金で始め、今まで継続させています。
むしろ、いきなり株初心者が大きいお金を運用すると失敗した時のリスクが大きいです。
実際、短期投資を始めたての株初心者がいきなり大きい額で取引して失敗するパターンはかなり多いです。

ゆうた
いきなり大きい額で始めようとしてたぜ。。。危なかった!!
もしも、株についてあまり詳しくない状態で大きな額を運用するなら、価格変動が小さく、リスクが少ない、投資のプロに任せられる投資信託での運用が良いでしょう。
このように株をいくらから始めるのかで、適切な投資のやり方、購入銘柄は変わってきますし、やり方を間違えると全く稼げなかったり、逆に損をすることに繋がります。
自分がいくらから投資するのか、ある程度見積もりを事前に立てておきましょう。
3.When〜いつ、どのタイミングで投資をするか?〜

ゆうた
無理だとは思ったけど、俺はどうせ投資するなら、やっぱりガツガツ短期で取引したいかなあ、少額で始まるし。

りな先生
あれ、ゆうたくんいつ投資するのかは考えてる?
最後に「日常のどのタイミングで投資するか」を決めましょう。
それによって、短期投資か長期投資かを決める事に繋がります。
短期投資、例えばデイトレードで株を行う場合、数時間単位で売買を繰り返す必要があります。そのためには仕事の休憩時間は確実に犠牲になりますよね。
もし短期投資する手はずだったのに時間が取れず適切なタイミングで売買できないなら、投資した分が無駄になることもありえます。

ゆうた
うーん、どうにかしてやれないかと思ったけど、俺休憩時間後輩とめっちゃ喋るし、これは確かにきついな・・・。
逆に、投資信託で資産運用する場合はチャートは朝に軽くチェックして、売買は基本月一回以下でも問題はありません。
「短期投資が良いのか長期投資が良いのか」「投資対象は国内株式か投資信託か」などは、自分の投資目的やいくらから始めるのか、どれくらい投資に時間が使えるのか等、などを総合的に判断した上で決めましょう。
実際にこのような項目を事前にスケジューリングしておくだけで、投資の成功確率はグッと上がります。
実際にやり方を決めよう!
ここまでの内容で、自分がどのような投資をしたいのかハッキリしましたか?

ゆうた
僕は早く稼いで車でも買いたかったけど、仕事の時間を考えるとずっと見てるのは無理そうだなぁ・・・将来のための貯蓄も必要だし・・・。

かおる
私は昼自由だし、案外時間あるなぁ・・・服とか欲しいし。
ここからのステップでは「自分に合った株式投資のやり方」を実際に見つけていきます!
以下の3つの項目から自分に合ったものを選んでください!
短期で一気に稼ぎたい
このコースは「短期投資でキャピタルゲインを狙う」のがコンセプトです。
長くても一年以内に数十万円単位の利益が欲しい人
スキマ時間でトレードする暇がある人
確かなリスク管理ができる人
株を買ってから売るまでの期間は、長くても数週間、短い場合数時間です。
「安く買って、高く売る。」を原則に進める「短期株式売買」が基本、抽選で利益を狙う「IPO」もここに分類されます。
おそらく一般にイメージされる株式投資に最も近い手法です。
短期取引でリスク管理は求められますが、チャートをしっかり見てきちんと損きりできれば、大きく損をする可能性は案外低いです。
このように儲けるも損するも自分次第、うまく行けば一番短期間で儲けられるため非常にロマンがあります。
また、通常なら売却益には20%の税がかかってくるのですが、後述するNISA口座を使うことで利益を全て非課税にすることができます。
短期売買
「時間をかけずに大きな利益を得たい方」
「投資の経験を積みたい方」
短期売買は長くても数ヶ月程度しか株を保持せず、短いスパンで株式の売買を繰り返す投資のやり方です。
前の「株で儲ける3つの仕組み!」で説明したデイトレードやスキャルピング、スイングトレードがここに分類されます。

かおる
毎日チャートに張り付かなきゃ行けないんですよね・・・なかなか難しくないですか?

りな先生
短期投資にも色々あるのよ、株を持っている期間によっては毎日チャートに貼り付かなくても良いわよ!
一言で「短期投資」と言っても、その中でも色々なやり方があり、どのような方がどれに向いているのかは大きく変わってきます。
例えば、スイングトレードなど、数日・数週間に1回売買するトレードスタイルであれば、毎日チャートの貼り付かずに、休日に確認する程度で十分ですし、反対にスキャルピングやデイトレードなら一日の多くの時間をチャートを見るのに費やす必要があります。

りな先生
3つのスタイルがどのような人が向いているか一言でまとめて見たわ!参考にしてみてね!
デイトレード…「仕事をこなしながら投資もプロ意識で極めたい副業トレーダー」
スイングトレード…「仕事をしつつ、余暇でゆっくり短期投資を楽しみたいトレーダー」
とは言え、どのやり方を選ぶにしても、短期投資は以下のメリット、デメリットはかならずついて来るので、最低限確認しておきましょう。
短期売買のメリット、デメリット
メリット
- 短期的に大きな利益を狙える
- 専門知識がそこまで必要ない
- 不確実性のリスクが少ない
先程も説明しましたが、最も短期的に利益を獲得できる手法です。
短期投資は基本的にチャートの動きを見ておけば投資できるためファンダメンタルの知識は深くは必要とされません。そのため深く勉強せずとも気軽に始めやすいです。
短期的に売買を繰り返すため、長期的な価格変動に悩まされる必要はありません。しかし、株式を持っている間は常にチャートに注意しておく必要があります。
デメリット
- 手数料が大きい
- 損失を重ねやすい
- 時間が取られる。
一回一回の取引に手数料がかかってくるため、それが重なると大きなコストになってしまいます。前述のNISAである程度カバーできますが全てNISAにすることは難しいです。
短期投資は値幅の揺れが大きいため。損失を重ねやすいです。「損をしない事」より「損をいかに小さくできるか」に意識を向けましょう。
特にスキャルピングやデイトレードに言えることですが、値動き一つ一つが利益に大きな影響を及ぼすため、チャートは少なくとも一日数回単位の頻度で確認する必要があります。
IPO
「一回の投資、数日で大きな利益を得たい人」
「手間をかけずに儲けたい人」
もう一つ短期投資の代表的な手法として挙げられるのがIPO投資です。
先述したように高い利益率を狙えるIPOは近年大変人気があります。
そんなIPOは抽選に申し込むだけなので、当選するまで一切費用がかかリません。
反対に「抽選」であるため、外れる可能性があることがデメリットと言えるでしょう。そのため落選率を下げる工夫は必須、IPOに申し込む際は、複数の証券会社に口座を申し込むことはもはや絶対条件です。
また、利益額が大きいということは裏を返せば、それにかかる税額も大きいです。
そこで「NISA口座」を使えば税額を抑えられます。
前回触れたように元の株価が低いためにほぼ全額カットになると言っていいでしょう。
このようにIPOとNISAの相性は非常にいいです。
IPOのメリット・デメリット
メリット
- 知識が必要ない
- 資金が減らない
- 株の価格が比較的安い
- 利益が非常に大きい
基本的に抽選に申し込むだけなので、全く株の知識は必要ありません。
抽選に落ちても資金が減らないため、ノーリスクで何回でも申し込めます。
IPOは購入してもらいやすいように元の価格が通常の株式と比べてかなり安価になってます。
当選した場合の利益は非常に大きいです。公募価格の数倍の利益が得られるなんてこともザラです。投資の費用対効果においてIPOの右に出るものはないでしょう。
デメリット
- 落選する
- 初値が下がる場合がある。
- 申し込む手間がかかる。
「抽選」なので、当然落選します。その場合は一切利益はありません。また、当たる確率も決して高くはありません。
全IPOの2割り程度ですが初値が公募価格より下がることもありえます。注目株をしっかり抑えておけばそれほど心配する必要はありませんが、心には留めておきましょう。
当選するためには何回も申し込む必要があります。そのため手間はかかります。1つの申し込みは5分程度です。
20年以内で高利回りの資産運用
このコースは「インカムゲインで利益を得ながら数年〜数十年かけて資産運用して、株が成長した判断したタイミングで売却」というコンセプトの元進めていきます。
以下のような方が向いているでしょう。
将来のことを考えて資産運用を行いたい人
余裕資金が未だに溜まっていない人
投資に対して「損をする」という固定観念がある人
長期投資は買った株を数年、長ければ数十年にも渡って持ち続けます。
最終的には売却益を狙うのですが、その間に株主優待や配当金で利益を重ねていきます。
個人で株式を買うだけでなく、プロに資産運用を任せる投資信託もこの長期投資に分類されます。
投資信託はNISAなどの制度との相性が非常にいいため、そちらも併せて見ていきます!
長期売買
「株に関して確かな知識を持ちたい人」
「株式優待や配当金で利益を稼ぎたい人」
先述した短期売買より長い期間、数週間〜数ヶ月以上、長い場合には数年に渡って株を保有し続けます。
「第2回」で説明した長期トレードがこれに当たります。
買って数年ずっと売却せず、高い利益をあげようと思うなら購入時点で「どの株式が伸びるのか」という予測を立てる必要があるため「ファンダメンタル分析」などの知識を取り入れる必要があります。
逆に言えば長期的に保持し続けるということは、少しばかり値下がりしても一喜一憂する必要はなく、放置しておけるというメリットであるとも言えます。

ゆうた
分析とかはすごくやってみたいんですけど、初めてでもいけますかね?

りな先生
少しずつやっていけば大丈夫よ!人気の株は情報も多いし始めはそれを購入するのでもいいしね!
メリット
- 世界経済成長の追い風を受ける
- 分散投資がしやすい
- 細かい価格変動に一喜一憂する必要がない。
- 手数料が少ない
- 株主優待、配当金がもらえる
景気は良いときもあれば悪いときもありますが、長期的に見れば世界経済は現在でも成長を続けています。
経済が成長しているということは企業も成長しているところが多いという事。そういった会社を見極めることができれば確実に利益を獲得することができます。
複数の銘柄に分散できるために、リスクを小さくすしやすいです。
長期的なリターンを狙うので、1度価格が下がったからといって売却する必要はありません。
常時チャートに張り付いている必要もなく、毎朝ニュースを確認する程度で大丈夫。時間を使わないため、普段忙しいビジネスパーソンのライフスタイルに合っています。
売買回数が減るために短期投資より手数料の合計が少なくなります。
おおよそ3年は株を持ち続けるトレーダーが大半で、株の売買手数料はほとんどかからないと思っていただいて問題ないでしょう。
詳しくは以下で説明しますが、株主優待や配当金のようなインカムゲインを使い余剰資産を貯めることができます。
デメリット
- 利益が上がるまで時間がかかる
- 突発的な事件の影響を受けやすい
- 十分な勉強が必要になる
買った株の相場が長期的に上昇して利益を獲得するまでには数年かかります。
さらにその間、株価は乱高下を繰り返します。もちろん細かい価格変動に一喜一憂せずに長期的にポジションを持ち続ける意識を忘れないようにしましょう。
長期投資で最も恐ろしいものが暴落です。過去にもリーマンショックや東日本大震災などの影響で株式市場は大きく動揺しました。これらの事象は予測不可能で避けようがありません。
一つの株が暴落しても立て直せるように分散投資を必ず忘れないようにしましょう。
長期投資には企業の業績を分析する「ファンダメンタルズ分析」が不可欠です。長期保有する間に、企業の財務状態や業界を取り巻く環境を随時分析し、それにより株の買い増しや売却を臨機応変に行う必要があります。
インカムゲイン

りな先生
長期投資の美味しいところは、直接の利益以外にも2つのインカムゲインが手に入るところね!

かおる
それが株主優待と配当金ですよね!
株主優待
一つ目のインカムゲインは株主優待です。
現金ではなく会社独自の様々な商品がもらえる株主優待はショッピングのような感覚で株式を探せ、非常に面白いです。
しかし、所持している株の価格が変動する事実には変わりがありません。株主優待でどれだけ魅力的な商品をもらえたとしても、株の価格が下がってしまったら全く意味がありません。

りな先生
株主優待目的で投資をする人は結構いると思うけど、絶対に株価から目を離さないように注意してね!
メリット
- 税金がかからない
- 確実にもらえる
株主優待は金銭ではないため、通常の取引だとかかってくる20%の利益に対する税金がかかりません。
通常取引だと当然株価は下がり損失になる恐れがありますが、株主優待は確実にもらえるため安心感があります。
デメリット
- 株価が下がる可能性がある。
- 現金ではない
株主優待で利益を得ても株価自体が下がってしまえば元も子もありません。そのため運用にも気を掛ける必要があります。
当然ですが、現金ではないので自分の資産を増やすことには繋がりません。
配当金
株主優待と並ぶもう一つのインカムゲインが配当金です。
株主優待と違い現金をもらえるため直接資産を増やせるのがメリットです。
もちろんこちらも株価の把握は欠かせないという点では株主優待と同じです。いくら配当金が入ってきても総額でデメリットになれば意味がありませんよね。

りな先生
配当金自体を目的に投資するのも良いけど、あくまで株式運用のおまけ程度で認識するのがいいかもね!
メリット
- 自分の好きなタイミングで、好きな銘柄を売買できる。
- 配当金だけでなく株主優待も狙える。
投資信託の場合、プロの一存でどこに投資するか決められますが、個人で配当金を狙うなら自分の好きな銘柄に投資し、好きなタイミングで売買できます。そのため自由度はこちらのほうが高いですし、何より自分に合った銘柄を見つける楽しみがあります。
銘柄によっては配当金と株主優待、両方とももらえます。投資信託だと株主優待は現金に還元されますが、現物が欲しい人は個人で銘柄に投資する必要があります。
デメリット
- 株の価格に気を付ける必要がある。
- 投資の知識を入れる必要がある。
株主優待同様にインカムゲインで稼げても、元の価格がそれ以上に下がってしまえば何のメリットもありません。短期投資と違い細かい価格の上下を気にする必要はありませんが、一度長期的な下落が続くとなかなか売りにくくなります。リスク管理はしっかりしましょう。
配当金で利益を狙う際は自分で「配当性向」「配当利回り」を確認、分析した上で投資対象を決めるなど、全て自分で管理する必要があります。
一概にデメリットとは言えませんが、自分で配当金を狙いに行く際は了承しておかないと行けない部分です。
投資信託

りな先生
ちなみにもし勉強する時間がなくても、投資信託なら気軽に「運用できるわ!
投資信託とは一言で言えば、「プロの投資家に資産運用を任せる仕組み」です。
預けた資金は日経平均株価やTOPIXなどの特定の指標に合わせて運用され、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配されます。
自分で資産運用するのが「怖い、自信がない・・・」という方にはまさにうってつけの投資商品で、これから株を始める初心者の方、株の勉強をする時間がない方にとってはとてもありがたい仕組みですが、その分運用コストとして「信託報酬」がかかって来ます。信託先によって変わってくるため、必ず確認するようにしましょう。
この投資信託はその運用の方法により、①アクティブファンドと②インデックスファンドの2種類に分かれ、それぞれ以下のような違いがあります。
アクティブファンド | インデックスファンド | |
指数を上回る成果を出すことが目標 | 運用目的 | 指数に沿った成果が目標 |
比較的高い | 保有コスト | 比較的低い |
・ファンドの種類が多く、テーマや目的に合った投資ができる。 ・ファンドが良ければ指数以上の大きな利益を上げることができる |
特徴 | ・低コストで市場全体に投資できる ・代表的な指数に連動するものが多く、利益が出やすい |
・eXAMISシリーズ ・たわらノーロードシリーズ |
ファンド例 | ・さわかみファンド ・ひふみシリーズ |
アクティブファンド
アクティブファンドは「指標を「上回る」運用成績を目指すファンド」で、例えば日経平均株価が10%値上がりするなら、その10%以上の値上がりを目標に投資します。
そのため、一度当たれば大きな利益を獲得できます。
しかし、その分インデックスファンドに比べると運用成績は不安定です。
また、信託報酬もインデックスファンドと比較すると高め、その差分はおおよそ3倍差です。
この差は指数より高めのところを狙う分、インデックスファンドより値上がり幅の大きい株だけを選別することや、そこから目標通りの利益を上げる戦略を練る必要があることで、人件費などの費用がかさむために現れます。

りな先生
感覚的には長期投資版デイトレードといった感じかしら。と言ってもあくまでインデックスファンドと比べてリスクが大きいってだけだけどね。
メリット
- 収益が大きい。
- 業績の良い銘柄にだけ投資できる。
プロがあえて水準より高い価格帯を狙っているだけあり、一度勝てばその利益は非常に大きいです。インデックスファンドだと良くも悪くも利益は市場通りなので、「ちょっと利益を狙う投資してみてもいいかも・・・。」という方にはおすすめです。
運用家が厳選に重ねた好調な銘柄にだけ投資できるため商品の品質の良さでは随一です。良質な割安株や成長株を見抜くのはなかなか難しいですがアクティブファンドだとプロに一任できます。
デメリット
- インデックスファンドに比べると不安定
- インデックスファンドよりコストが大きい
強気な投資をしている分、相場が下降した際に損失になるリスクはインデックスより大きいです。損失を防ぐ一番の方法は投資家の力量を見極めることです。過去の実績から力量を調べるのはそう難しくないので、絶対に怠らないようにしましょう。
信託報酬は年1.5%が相場。おおよそインデックスファンドの3倍差でこちらのほうが多く支払う必要があります。
しかし、近年では年0.5%前後の低コストのアクティブファンドも現れてきています。そういったファンドは有名ファンドで簡単に見つかることを考えると、手数料の高さも徐々に改善されてきていると言えますね。
実際に下記のように、アクティブファンドの中では有名なひふみ投信は毎年TOPIXを上回る実績を堅実に上げ続けています。
インデックスファンド
インデックスファンドは指標に沿って利益を狙っていくため、安定して利益を上げることができるという特徴があります。
TOPIXや日経225などに指標と連動して動くようにポートフォリオを組みますので市場の動きと同じような動きをします。そのため市場が好調だとただ預けているだけでうなぎ登りに資産が増えていきます。
逆に、指標から離れない故に、アクティブファンドと比べ大きな利益には繋がりません。
そのため、市場平均以上の利益を求める方には向いていないでしょう。
信託報酬はアクティブファンドより低く、最安値層だと投資した金額の0.1%という超低額のプランもあります。(通常のアクティブファンドは3~5%程度)
総じて長期的な資産運用には向いたプランと言えるでしょう。「銀行は低利子だし、何かに投資して利益がほしいなぁ・・・。」という方にはうってつけです。
メリット
- 損失リスクが低い
- 信託報酬が低く、低コスト!
指標に沿うのが基本方針なので、大きく損する事は基本的にないです。
平均利回りは5%程度と言われており、20年投資すれば1年間分の投資額は確実にリターンになります。
運用コストは平均年0.3%程度、アクティブファンドのおおよそ1/3程度で収まります。
最安値なら年0.1%程度と非常に低いです。
デメリット
- 大きな利益に繋がりにくい
- 投資に刺激がない。
指標からずれることがないため、安定はしていますが大きな利益には繋がりにくいです。成果が出るまでに数年かかることは覚悟しておきましょう。
やることは毎月一定額のインデックスファンドを買うだけなので作業自体はとても簡単です。しかし、それは同時に短期投資のような株価のアップダウンがなく、退屈であるとも言えます。そのため趣味感覚ではなく純粋に資産を増やしたい人向けです。
老後の生活資金のための貯蓄
このコースは「老後を見据えて資産を貯めるとともに数百万単位の利回りを得る 」をコンセプトに進めて行きます。
このコースは以下のような方に向いています。
高利回りの資産運用をしたい方
税金を少しでも節約したい方
意思が弱く貯金に手をつけてしまう方
先ほど紹介した長期的な資産運用にも似ていますが、こちらはより老後に向けたサービスが整った「iDeCo」についての説明になります。
iDeCo
「老後の資金をためたい人」
「所得税や住民税を抑えたい人」
iDeCoは「個人型確定拠出年金」の略で、後述するつみたてNISA同様に長期での資産運用に向いていますが、こちらはより老後の資産貯蓄に特化したものとなっています。
通常の年金とは違い、資産運用は全て自分で行います。
自分で掛け金を拠出し運用方法を選び、それに沿った掛け金と運用益を基に給付を受け取ることができます。
NISAと比べて以下のような税制上の大きなメリットがあり、年金を数十万円単位で増やす事ができるため、老後に備えた貯蓄を行う場合はiDeCoの方が向いていると言えます。
メリット
- 所得税及び住民税が節税できる
- 運用益は非課税
- 資産を受け取る際も所得控除を受けられる。
iDeCo最大のメリットです。iDeCoに積み立てた掛け金の全額が所得控除され、その分所得税、住民税が安くなります。年末調整や確定申告を行うことで所得や税金に応じて納めた税金が戻ってきます。
NISA同様にiDeCoで運用して得た利益は全て非課税です。
運用した資産を60歳以降に受け取る際も、「一時金」として受け取れば「退職所得控除」、「年金」として受け取れば「公的年金控除」を受けられ、運用方法次第では退職金含めて税金ゼロで受け取ることも可能です。
デメリット
- 60歳までお金を引き出せない。
- 口座開設に手数料がかかる。
- 損益通算が不可能
あくまで「年金」なので、iDeCoに預けると60歳までそこからお金を引き出せません。とはいえiDeCoの運用目的が老後の資産運用であることを考えると手を付けなくてもいいというメリットにもなりうるでしょう。
iDeCoには口座開設時に2,777円、運用時に167円/月の手数料がかかります。30年運用するとしてトータルで最低6万2,897円の手数料がいる計算です。数十万節税できると考えればデメリットとしては小さいですが、馬鹿にできる金額でもないため、これ以上手数料を重ねない資産運用を心がけましょう。
NISA同様に損益通算は不可能です。とはいえ基本インデックスファンドに投資するiDeCoでそこまで考える必要もないでしょう。
NISA制度

りな先生
最後にNISA口座について説明するわね!
投資のやり方を決める際にぜひとも検討していただきたいのがNISAです。
NISAとは、株式投資の利益が非課税になる、個人投資家向けの税制優遇制度です。ではどのように税が優遇されるのでしょうか?
まず本来、株式投資では利益の20%が税として引かれます。たとえば資産運用で1年20万円の利益を得ても、そのうち20%の4万円は徴収されてしまいます。
ここで、専用のNISA口座を使って投資すればどのような投資をしても、利益が全て非課税になります。
たとえば上記の例だと4万円の損失を防ぐことができます。
更にNISAにはバリエーションがあり、近年注目を集めているものが「つみたてNISA」です。
簡単に言えばNISAをつみたて投資に特化させたもので、通常のNISAとは以下のような違いがあります。
一般NISA | 積立NISA | |
---|---|---|
対象 | 20歳以上 | |
利益 | 20.315%の税金が非課税 | |
損益通算 | できない | |
年間投資上限 | 120万 | 40万 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 |
途中売却 | 可能 | 可能 |
投資対象 | 国内外上場株式・ETF・REIT等 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託、ETF |
投資方法 | 自由 | 積立方式 |
新規投資期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2037年 |
では一般NISAとつみたてNISAのどちらを選べばいいのでしょうか?
どちらがどのような方に合っているのかを説明していきます。
一般NISA
年間120万円まで非課税枠を使うことができる一般NISAは、長期的な積立にはあまり向いてないです。
というのも5年という期間は、将来のためにコツコツ貯蓄をしていくにはあまりに短すぎます。
しかし、期間が短い分年間の投資限度額も120万円とかなり多め、そのため「これから老後のことを考えて資産運用する・・・。」というよりは「ある程度資産を作った人が短期間で資産を増やしたい」という場合に向いているでしょう。
メリット
- 非課税になることで、利益が大幅UP
- 月に何回でも投資できる。
- 投資商品に制限がない
20%の税が免除になるため、つまり何をしなくても利益が1.25倍になります。逆に未開設だと無駄に税が引かれるだけで損失が広がります。
NISA口座の投資限度額は年間120万円、一回で120万円使い切っても、毎月定期的に投資しても使い方は自由です。そのため少額でコツコツと投資したいという方にもピッタリ。毎月定額投資が可能なため、投資信託との相性も最高です。
つみたてNISAが投資信託に限定されているのに対し、こちらはより数多くの商品が買えます。例えばIPOと組み合わせて当選すれば、投資した数倍の利益がすべて非課税で財布に入ってきます。
デメリット
- 損益通算ができない
- 繰越控除ができない
損益通算とは、株で設けた利益から昨年分の損失分を差し引き、その分だけ税金を減らせるという制度です。NISA口座ではこの損益通算ができなくなります。他の口座と併用する場合には注意が必要です。
また一般口座だと確定申告をすればその年に出た損失を3年間繰越して、税金の繰越控除を受けられます。しかし、NISA口座だとこの繰越控除も適用されません。そのため、NISA口座を運用する際は如何に損失を重ねないかが重要になります。安定して利益を重ねることができるインデックスファンドと相性がいいでしょう。
つみたてNISA
「つみたてNISA」は先述の一般NISAを長期的な積立投資に特化させたもので、こちらは20年間運用できます。
そのため「銀行は金利が低いし、手軽に資産運用でもしてみたいなぁ。」という投資初心者の方にぜひ使っていただきたいサービスです。
メリット
- 投資枠が年間40万円に
- 投資商品が金融庁に選定されている
一般NISAの年間120万円をフルに活用するのは資金がまだ十分にない初心者にとってはなかなか難しいですし、何より「損をするかもしれないのに100万円以上も投資に費やす。」というのはなかなか心理的にも難しいでしょう。
投資先が多いのは有効に使えるならかなり便利なのですが、何も知らない状態で一から選ぶとなるとなかなか面倒くさい作業です。
そこで優良な商品だけがある程度厳選されていると、それだけで非常にファンドが選びやすくなります。
デメリット
- 損益通算、繰越控除はできない。
- NISA口座との併用が不可能
一般NISAと同様に損益通算、繰越控除はできません。他口座と組み合わせるには気をつけたいものです。
一般NISAとつみたてNISAは併用させる事ができません。そのため投資信託以外の商品で利益を上げても非課税にはできず、課税されます。