第2回目は「株で儲ける3つの仕組み」について学んでいきましょう。

第2回で学べる内容

  • 値上がり益と株価の変動理由

  • 配当金と配当利回り・配当性向・増配減配

  • 株主優待と優待利回り

また、「そもそも株って何?」という人は、「株とは?(第1回)」をご覧くださいね。

株で儲ける3つの仕組み

株で儲かる3つの仕組み

ひとえに「株で儲ける」と言っても、その方法は一つではありません。

株で利益を出して儲ける方法として、主に以下の3つの稼ぎ方があります。

代表的な3つの稼ぎ方

  • 値上がり益

  • 配当金

  • 株主優待

ゆうた(デフォルト)

ゆうた

配当と株主優待も、株の代表的な稼ぎ方なんですね。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

配当や株主優待をメインで取引する人も大勢いるわよ!

それでは、この3つの稼ぎ方について詳しく見ていきましょう。

代表的な3つの稼ぎ方

  • 値上がり益

  • 配当金

  • 株主優待

①値上がり益

まず一番最初に「値上がり益」について説明します。

株の稼ぎ方としては、最も代表的かつ基本的な稼ぎ方になります。

値上がり益とは、株を買値よりも高い値段で売却する事で得られる利益(差益)の事を指します。

値上がり益のイメージチャート
(参考:楽天証券|値上がり益の魅力)

安い時に株を買って高くなったら売る、この差額で儲けるという非常にシンプルなものです。

ゆうた(笑顔)

ゆうた

10万円で購入して11万円で売却したから、1万円の儲けって事ですね。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

そうよ!じゃあ、前回の復習になるけど、なぜ株価が変動するかは分かるかしら?

ゆうた(ツッコミ)

ゆうた

わ、、忘れちゃいました!

株価が変動する理由

そもそもなぜ株価は変動するのでしょうか?

株価とは、1株当たりの株式の価格の事を指します。

この株価は、その株を買いたい人と売りたい人の需要と供給のバランスによって決まっています。なぜなら会社が発行してる株式の総数は限られているからです。

例えば、自動車大手のトヨタ自動車<7203>の発行済株式総数は3,262,997,492株で、その株を保有してる株主の数は623,599人です。(出典:TOYOTA|株式の概要・2019/3/31現在

仮に、我々がトヨタ自動車の株を購入したいと思うと、このすでにトヨタ自動車の株を保有してる株主から購入する必要があります。

もちろん、誰もが買った値段よりも安い値段で売りたくはありませんから、その株を買いたい人が多ければその会社の株価は上がっていきます

逆もしかりで、調子の悪い会社の株は買った値段より安くても売りたいと思うのが一般的ですから、株を売りたい人が増えれば株価は下がっていきます

こうした、株を買いたい人と売りたい人の需要と供給で株価は変動します。

需要(買いたい人)> 供給(売りたい人)⇒ 株価上昇
需要(買いたい人)< 供給(売りたい人)⇒ 株価下落

ゆうた(デフォルト)

ゆうた

有名なアーティストのライブチケットが高くなるのと同じですね。

任天堂の株価の具体例

実際に2019年後半の任天堂<7974>の株価の動きを見ると、この需要と供給による株価の変動を簡単に理解する事ができます。

任天堂の株価チャート
(参考:みんかぶ|任天堂チャート)

上の図は2019年後半の任天堂の株価の動きになります。

最初の青い丸枠の所から株価が下落し、次の赤い丸枠の所で今度は株価が上昇しています。

株価の変動には様々な要因がありますので一概に言い切る事はできませんが、最初の青い丸枠からの下落は、任天堂が9月20日に発売した新ゲーム機「スイッチライト」の初動が市場予想の30万台を大きく下回る結果になったのが一つの要因です。また、任天堂は年初来ずっと高値圏を維持してましたので、ここら辺りで利益確定の売りをしようというユーザーの動きがあった事が伺えます。

つまり、「スイッチライトが思ったより売れなかったから株価が下がるぞ!!売ろう!!」というユーザーの心理があった事が分かります。

一方で、赤い丸枠から株価が上昇してますが、これは任天堂が10月31日におこなった中間決算発表で、ニンテンドースイッチのハードやソフトの売れ行きが好調で、売上高が前年同期比14.2%増加の4439億円、営業利益は53.4%増の942億円に増加した事を受けての株価上昇です。

つまり、「任天堂の製品がめちゃくちゃ売れて成長してるぞ!!任天堂の株を買おう!」というユーザーが増えた結果、任天堂の株価が上昇したと考えられます。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

こうして会社の株価は上下変動するのよ!

ゆうた(興奮)

ゆうた

スイッチライトは僕も購入しました!

また、こうした「値上がり益」が狙える株には3種類あります。

値上がり益が狙える3種類の株

  • 割安株

  • 成長株

  • 新規公開株(IPO)

「値上がり益」が狙える3種類の株

①割安株

割安株とは、本来の企業価値は高いにも関わらず株価が低い状態の銘柄の事を指します。

こうした割安株は、今後企業価値が正当に評価されて株価が上がる可能性が高いので、割安状態で購入しておくと、大きな値上がり益を期待する事ができます。

②成長株

成長株とは割安株とは違い、たとえ株価が低い状態でなくても、今後株価の上昇が期待できるとされる有望な銘柄の事を指します。

成長株は売上高と利益が共に伸びており、また今後も伸び続けると思われるような銘柄ですので、中長期的に大きな利益を狙うことができます。

③新規未公開株(IPO)

新規未公開株(以下、IPO)とは、未上場企業が新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させる事をさします。

IPOは一般投資家から広く資金を調達して事業を拡大することを目的として行われますので、基本的に誰も買い手が付かないという状態は避けたいと考えます。なので、IPO株は既に上場している業態が似ている会社と比べて、割安価格で売り出される事が多いという特徴があります。

その為、IPO株は上場後に値上がりする銘柄が多いです。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

IPOは初心者でも比較的簡単に始められて、当選した時のリターンも大きいからオススメよ。

代表的な3つの稼ぎ方

  • 値上がり益

  • 配当金

  • 株主優待

②配当金

配当金(以下、配当)とは、会社の利益の一部を株主に還元する事を指します。

配当金
(参考:SBIネオトレード証券|株の配当金と株主優待)

もちろん、利益の一部から配当が支払われますので、赤字や業績が不調な会社では、配当がでない場合もある事は十分理解しておく必要があります。

配当に関しては、「配当利回り」「配当性向」「増配・減配」の3つを理解しておくといいでしょう。

①配当利回り

配当利回りとは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受ける事ができるかを示した数値の事です。

式で表すと、以下のようになります。

配当利回り(%)=配当(円)÷株価(円)

例えば、孫正義さん率いるソフトバンクグループ<9984>の2020年1月27日の株価は4,575円です。1株あたりの配当金は44円ですので、ソフトバンクグループの現在の配当利回りは0.96%という事になります。

東証1部の全銘柄の平均配当利回りが2.2%ほどなので、ソフトバンクグループの配当利回りは市場平均と比較すると少なめと言えますね。

中には配当利回りが9%を超えるような高配当銘柄もありますが、基本は配当利回りが4%を超える銘柄は高利回りと呼べるでしょう。

また、ものすごく高利回りの銘柄があったとしても、単に業績の悪化で株価が下がっており、その結果として配当利回りが高くなっている場合もありますので、注意が必要です。

ゆうた(笑顔)

ゆうた

配当利回りが4%の株を100万円分持っていたら、毎年4万円も配当金がもらえるって事ですね!

②配当性向

配当性向とは、その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかをパーセンテージで表したものです。

式で表すと、以下のようになります。

配当性向(%)=1株当たりの配当(円)÷1株当たりの当期純利益(円)×100

例えば、1株当たりの当期純利益が100円で、1株あたりの配当が50円なら配当性向は50%。同様のケースで1株当たりの配当が30円なら配当性向は30%になります。

つまり、配当性向を見れば、その会社が自社の利益をどれだけ配当金として株主に還元しているかが分かるという事です。

ゆうた(笑顔)

ゆうた

つまり、配当性向の高い会社を選べばお得って事ですね!

りな先生(悩む)

りな先生

いや、実はそうとも言い切れないのよ。

一見、配当性向の少ない会社は、株主にとってあまり良くない会社のように思えますが、実はそうでもありません。

配当性向が高いという事は、イコール、利益のほとんどを配当に回してしまっているという事でもあります。つまり、配当で株主に利益を還元した分、次の事業に回せる投資資金が少なくなっている可能性もあるという事です。

逆に、配当性向が少ない会社でも、その分利益を貯めて次の成長機会に投資して会社自体が成長すれば、その会社の株価は上がり、我々投資家は値上がり益としてその恩恵を預かる事ができます。

ゆうた(デフォルト)

ゆうた

貯めた利益をどう使っているかが大事という事ですね。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

アメリカのアマゾンは次の成長分野に積極的に投資しているから、実は配当を一切配ってないのよ!

③増配・減配

「増配・減配」は配当に関しての重要キーワードですので、是非覚えておきましょう。

増配とは、業績改善や株主重視策等を背景に、前の期よりも配当額を増やす事を指します。

減配とは増配の逆で、業績悪化などを背景に、前の期よりも配当額を減らす事を指します。

増配は会社の業績が好調な時に行われる場合がほとんどですので、増配を発表した会社は有望企業として注目され、その会社の株は買われる傾向にあります。特に、毎年増配しているような連続増配年数が長い会社の銘柄は配当狙いで買われることが多いです。

一方で減配をした会社の株は、その会社の業績悪化や先行き不安などから、一般的に株価が下がる傾向にあります。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

消費財メーカーの花王<4452>は、29期連続で増配してる有名な連続増配株よ!

配当についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。

代表的な3つの稼ぎ方

  • 値上がり益

  • 配当金

  • 株主優待

③株主優待

株主優待とは、会社が株主に向けて、配当金とは別に自社商品やサービス券をプレゼントする優遇制度の事です。

株主優待の内容は会社によって様々で、自社商品を配る会社もあれば、自社のサービスや、クーポン券をプレゼントする会社もあります。

例えば、ディズニーランドを運営してるオリエンタルランド<4661>の株を100株以上保有していれば、株主優待として「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」のどちらかの1dayパスポートをもらう事ができます。(参考:OLCGROUP|株主優待制度

基本的に、自分の欲しい優待内容がある会社の銘柄を購入するといいですが、一つ覚えておきたい情報として、株主優待の「優待利回り」は注目しておくといいでしょう。

優待利回りも確認しましょう!

優待利回りとは、株主優待の取得にかかった金額に対して、株主優待の価値がどれくらいあるかを数値化したものです。

難しく言ってますが、要は配当利回りと同じです。

式で表すと、以下のようになります。

優待利回り(%)=優待の価値(円)÷優待取得にかかった金額(円)

例えば、大手家電量販店のヤマダ電機<9831>の株を100株以上保有していれば、1年間で3,000円分の株主優待を受け取る事ができます。(参考:YAMADA|株主優待制度

ヤマダ電機の株価は554円(※2020年1月28日現在)ですので、仮にヤマダ電機の株を100株保有した場合の、優待利回りは5.4%になります。

さらに、この優待利回りと配当利回りを合算して、実質利回りとして計算する場合もあります。

先程紹介したヤマダ電機は1株当たり13円の配当を支払ってますので、配当利回りは2.34%です。

ゆうた(デフォルト)

ゆうた

2.34%は平均的な配当利回りですね。

しかし、この配当利回りと優待利回りを合算した実質利回りは7.7%となります。

ゆうた(ツッコミ)

ゆうた

な、、、、7.7%!!!???

このように、一見配当利回りだけを見るとそれほど利回りが高くない銘柄でも、優待利回りと合わせる事で、実は高い利回りが期待できる銘柄はたくさん存在します。

単純に自分が欲しい株主優待の為に銘柄を購入するだけでなく、きちんと優待利回りも見る事で、実際に自分の投資がプラスになってるのかどうかを明確に判断する事ができます。

また、配当利回りと同じく、株価が下がっている影響で優待利回りが高くなっている場合がありますので、そこは注意する必要があります。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

配当狙いなら、優待利回りも視野に入れるといいわね!

ゆうた(興奮)

ゆうた

株主優待面白そうですね~!!

第2回のまとめ

それでは、ここまでの内容を一度まとめますね。

まとめ

  • 株で儲ける方法は、値上がり益・配当・株主優待の3つ

  • 株価は投資家の需要と供給によって変動している

  • 値上がり益とは、株を買値よりも高い値段で売却する事で得られる利益

  • 配当とは、会社の利益の一部を株主に還元する事

  • 配当利回り4%以上が、高配当銘柄

  • 株主優待とは、自社商品やサービス券をプレゼントする優遇制度

  • 配当利回りと優待利回りを合わせて、実質利回りを確認しよう

りな先生(ワンポイント)

りな先生

次回は株はいくらから始めれるのかについて勉強していきましょうね!