今回は、実際にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を用いた「株の選び方」「株の買い時の見つけ方」を勉強していきましょう。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析が何か分からないという人は、第6回「テクニカル分析とファンダメンタルズ分析って何?」を参考にしてください。

株の買い時?株の選び方?どうやって判断するの?

株の買い時や選び方は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を使用します。

企業の業績や経済環境等の要因を元にして、株価の変動を予測するのがファンダメンタルズ分析、チャートの値動きから今後の株価を予測するのがテクニカル分析

これは前回、学習しましたよね。

基本的に、スキャルピングやデイトレードなど、短期的な取引を行おうと考えている人の場合、主にテクニカル分析を使って株の買い時や上がりそうな銘柄などを把握します。

一方で、中長期的に安定した投資を行いたい人の場合は、テクニカル分析による買い時の判断に加えて、ファンダメンタルズ分析を使い「どの会社の株が将来的に成長しそうか」という視点での銘柄選びが大事になります。

もちろん、短期取引はテクニカル分析、長期取引はファンダメンタルズ分析と決まってる訳ではなく、2つの分析方法を適材適所で使用するのが望ましいです。

そこで、まずはファンダメンタルズ分析を用いて「優れた株を選ぶ方法」を説明し、その後に、テクニカル分析を用いて、どのタイミングでその選んだ株を買うべきなのか株の買い時」について説明するという流れで進めていきますね。

「株の売り時」に関しては、株の売り時はいつなの??(第8回)を参考にしてくださいね!

株の選び方

これから投資する会社(株式)を選ぶ方法として、今後成長するであろう「成長株」に投資する方法と、現在の株価が本来の会社の利益や資産よりも低く評価されている「割安株」に投資する2つの方法があります。

それでは、実際に「割安株」や「成長株」など、将来的に成長(株価上昇)が期待できる株を見つける具体的な方法を紹介します。

①会社の業績を把握する

その会社が将来的に成長する会社なのかどうかを判断する上で、その「会社の業績」の確認は欠かせません。

会社の業績に関しては、前の第6回「テクニカル分析とファンダメンタルズ分析って何?」で紹介したように、Yahoo!ファイナンスや会社四季報、ネット証券の公式サイトや取引ツール、会社の公式サイトのIR情報の欄などから簡単に確認する事ができます。

また、会社が年4回決算を行い、その内容を書類にまとめて公開してくれる「決算短信」という書類でも、その会社の業績を把握する事ができます。読みやすさで言うと四季報ですが、情報量や情報の早さでいうと決算短信の方が優れています。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

会社の決算短信は、その会社の公式サイトのIR情報の欄から確認する事ができるわよ。

決算短信や会社業績のどこを見るかですが、基本的に「売上」「営業利益」「当期純利益」「来期の業績予想」等を見るのですが、詳しくは株の情報はどこで集めるの?(第5回)で説明してるので、そちらを見てくださいね。

②指標を使って深堀りする

会社の業績を見ると、その会社が成長してるかどうかを把握する事ができますが、一方で、その会社の現状の株価が「割安なのか割高なのか」を判断する事はできません。

しかし、いくつかの指標を使う事で、その会社の株価が割安なのか割高なのかを判断する事ができますので、今回は有名な3つの指標を紹介します。

3つの指標

  1. PER
  2. PBR
  3. ROE

PERで割安かどうかを判断する

PERとは、株価収益率(Price Earnings Ratio)です。

PERは「株価 ÷ EPS(一株あたり利益)」の事で、今の一株あたり純利益に対して株価が何倍なのかを判別できます。

基本的に、日本で上場している企業の平均PERが15倍と言われてますので、自分のお目当ての銘柄のPERが15倍以下だったら割安、15倍以上だったら割高という感じで使えます。

業績も絶好調で成長が期待できる銘柄がPER15倍以下になっていたら、投資するチャンスかもしれまんせんね。

しかし、業種によってPERは異なりますので、一概にPER15倍より低ければ割安と考えずに、その業種全体の平均PERや競合のPERなどと比較して相対的に低いかどうかを把握する事をおすすめします。

ゆうた(悩む)

ゆうた

株価 ÷ EPS(一株あたり利益)?


りな先生(デフォルト)

りな先生

難しく考えずに、今はPERが15倍以下だったら割安、15倍以上だったら割高と考えればいいわよ。

詳細は、株価の割安度がわかる指標「PER」をご覧ください。

3つの指標

  1. PER
  2. PBR
  3. ROE

PBRで割安かどうかを判断する

PBRとは、株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)です。

PERと同じく、その会社の株価が割安か割高かを判断するための指標として使います。PBRは「 株価 ÷ 1株あたり純資産」の事で、今の一株あたり純資産に対して株価が何倍なのかを判別できます。

PBRの基本は1倍です。

なので、自分のお目当ての会社のPBRが1倍以下だったら割安、1倍以上だったら割高という風に使います。

詳しくは、株価の割安度がわかる指標「PBR」をご覧ください。

3つの指標

  1. PER
  2. PBR
  3. ROE

ROEで経営の効率性が分かる

ROEは、自己資本利益率(Return On Equity)です。

会社が持ってる自己資本をどれだけ効率的に使用できているのかを見るための指標で、「当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」で計算できます。

ROEの数値が高ければ高いほど、株主が投資した資金を効率的に使って経営できているという事になりますので、その会社は成長が期待できる優秀な投資先という事になります。

基本的にはROE10%以上が効率的に経営ができているラインとされてますが、PER同様、業種間でそれぞれ基準値に違いがありますので、業種間での比較も有効です。

詳しくは、どれくらいの投資リターンが見込めるか「ROE」をご覧ください。

りな先生(デフォルト)

りな先生

どの指標も同業他社の数値と比較する事で、より正確に割安かどうかを把握する事ができるわよ。

株の買い時

次はどのタイミングでお目当ての株を買うべきか、テクニカル分析の視点から株の買い時を見ていきましょう。

テクニカル分析を学ぶと、チャートの動きや形から「次にチャートがどう動くのか」を把握する事ができ、どのタイミングで買うのが適切かを判断できるようになります。

テクニカル分析では、チャートがこういう風に動いたら買いという典型的な買いのパターンがいくつかありますので、紹介していきますね。

酒田五法

ローソク足の並び方から次のチャートの動きを予測するのが酒田五法です。

酒田五法は基本の5つのチャートパターンがあります。今回は、その中から買いシグナルのチャートパターンを紹介します。

りな先生(ワンポイント)

りな先生

買いシグナルとは、チャートがこの形になったら上がる可能性が高いというサインのようなものよ!

三川(さんせん)

三川

底値圏(株価が低い状態)で3つの谷を作るチャートパターンを三川(さんせん)と言います。チャートがこの形になった後は、株価が大きく上昇に転じる可能性が大きく「買いのサイン」と言われています。

逆三尊(ぎゃくさんそん)

三川(さんせん)と同じく、3回抜けれなかった相場の底は突破できないと考え、ここが相場の底で「買いのサイン」と考えるのが逆三尊です。

三川(さんせん)と違い、三つの山の真ん中が最も高くなるのが逆三尊の大きな特徴です。

三空(さんくう)

三空はチャートに窓が3連続で現れたら逆張りするという方法になります。

窓とは、チャートとチャートの間のギャップの事です。例えば、前日の終値が100円だったのに、取引所が閉まっている間にその会社が業績の上方修正を発表したりすると、その会社の株を買いたい人が大勢現れ、次の日の始値が120円など、前日の株価と大きく開く場合があります。

この前日と次の日の100~120円の間は取引が成立せずに窓が形成されます。

先程の説明のように、窓が開くという事は、それだけ強烈な取引材料が市場に存在するという事になります。一方で、過熱しすぎた株価は元の正常な株価に戻るように動きます。

この性質を利用したのが、三空叩き込みです。

三空叩き込み

相場が全体的に下がっている局面で、チャートに3つ連続で窓が空いたら、買いシグナルというものです。

一方で、場合によってはそのまま下げ続けて下げトレンドを形成する場合もありますので注意が必要です。

三兵(さんぺい)

陽線や陰線が3本連続で現れる事を「三兵」と言います。

そして、3本の陽線が連続で階段状に出現する事を「赤三兵」と呼びます。

基本的に陽線が赤色で表現される事が多いのでこう呼ばれてます。

三兵

このように、株価の上昇を表す陽線が3連続で現れる赤三兵は、このまま上げ相場に入るパターンで「買いシグナル」と考えます。

注意点として、安値圏で赤三兵が現れた場合には純粋な買いシグナルと考える事ができますが、逆に高値圏で現れた場合には、そこが上昇の最後だったり、三空のように、逆に上がりすぎてこれから下がる場合も考えれますので、注意が必要です。

ゆうた(デフォルト)

ゆうた

なんにでも100%って事はないんだなぁ。

三法(さんぽう)

三法

三法は最初に大陽線が出現した後に、小さな陽線や陰線を挟んだ押し目や保ち合いが現れ、その後に次の大陽線が現れるチャートの形です。

相場が上昇トレンドの時によく現れる形です。

前の大陽線の高値を、次の大陽線が更新した場合に、相場が押し目を抜けて上がると判断して買いを入れます。

株価が動く時には、単純に一直線に上昇してくのではなく、三法のように上がっては少し下がってを繰り返しギザギザなチャートを描くという特徴があります。

りな先生(デフォルト)

りな先生

株価が上がって利益確定したい投資家や下がるのを見越して売りをいれる投資家がいるからギザギザに動くのよ。

グランビルの法則

グランビルの法則は、アメリカ人アナリストのジョセフ・グランビルさんが編み出した、株の買い時を把握するテクニカル分析の手法を指します。

基本的に、移動平均線と株価の位置関係から、酒田五法同様に、売買のタイミングを把握する時に使います。

具体的なチャートの形と買いのタイミングは以下の記事で紹介してますので参考にしてください。

>>グランビルの法則:買いのタイミング

その他の買い時ポイント

今回紹介した酒田五法やグランビルの法則以外にも、様々なテクニカル分析手法があります。

例えば、相場が上昇トレンドの時に下値支持線を引いて、その下値支持線にタッチするラインで買い注文をいれるという方法。

詳しくは『上昇トレンド時に下値支持線で買い』をご覧ください。

また、レンジ相場やボックス相場のように、株価が上値抵抗線と下値支持線の間で挟まれたように動く相場で、どのように買い注文をいれるのかも以下の記事で説明してます。

詳しくは『ボックスの動き』をご覧ください。

この記事で紹介した内容以外にも、テクニカル分析の方法は非常に多くあります。最初から全てのテクニカル分析を覚えるのは難しいと思いますので、実際に投資をやりながら徐々に覚えていくようにしましょう。

積立投資なら買い時はそれほど意識しなくてもいい

もし第6回「テクニカル分析とファンダメンタルズ分析って何?」で、自分の取引スタイルが将来のライフイベントや老後の資産形成に向けて中長期的に少額ずつ積立投資をしていくと決まったのであれば、正直あまり買い時を意識する必要はないかもしれません。

ドルコスト平均法で購入価格が平準化される

毎月定期的に定額を投資し続ける方法をドルコスト平均法と言います。

ドルコスト平均法

例えば、自分の決めた投資信託に毎月1万円を投資するとします。

投資家なら誰でも、価格が安くなった時にはたくさん購入して、価格が高くなった時には購入口数を減らしたいと考えますよね。しかし、投資を始めたばかりの初心者がチャートの動きを予測するのは難しいですよね。

しかし、積立NISAならこれが自動でできます

なぜなら、積立NISAは毎月決まった額を、定期的に投資するからです。

安い時には購入する口数を自動で増やして、高い時には購入する口数を自動で減らすので、結果としてどのタイミングで購入しても、その価格を全体で平準化させる事ができます。

なので、積立NISAや積立投資で長期的に投資をしていこうと考えているのであれば、「どのタイミングで買うか」はそれほど意識する必要はないと思います。

それよりも、長期的に投資するわけなので、どの投資商品を買うかという点を重視した方がいいでしょう。

まとめ

株の買い時は、その会社の業績やPER・PBR・ROEなどの指標を使って把握します。さらに、酒田五法やグランビルの法則などのテクニカル分析を使って、適切な株の買い時を把握する方法があります。

また、積立投資は長期的な取引を前提にしてますので、どのタイミングで買うかよりも、どの投資対象に投資するかの方が重要になってきます。

今回は株の買い時を見ました、次回は「株の売り時(第8回)」を見ていきましょう。




CHAPTER6

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析って何?それぞれの基本を紹介します。

CHAPTER8

株の売り時はいつなの??