株で有名なアノマリーを4つご紹介

この記事ではアノマリーの意味と、株で有名な4つのアノマリーをご紹介します。

アノマリーって何?

アノマリーはよくあたる経験則!

株価の動きには、いつもこの時期になると株価が上がりやすいとか、この時期は荒れやすいといった決まったパターンのようなものがあります。

ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析では説明できない、はっきりした根拠もないけど、なぜかいつも同じような動きをする事象です。

このような合理的な説明はできないけど、よく当たる経験則のことをアノマリーといいます。

アノマリーはトレードにも応用できる!

アノマリーには根拠はないと言いましたが、同じ時期に株価が高くなるのは、それなりの理由があるからだと考えられます。

しかし株価は様々な要因によって決まるものなので、1つの理由に絞るのは難しいです。

ただ理由は分からなくとも、株価がどのように動きやすいのかを知っておくと、実際のトレードにも活かすことができます。

例えばこの時期は高くなりやすいと分かっていれば、その時期に合わせて買う準備ができますし、安くなりそうな時期であれば、事前に売ってリスクを回避することもできます。

アノマリーは100%当たらない!

アノマリーは100%は当たりません。

なぜかそうなる確率が高いというものなので、もちろん外れることもあります。

なのでアノマリーを利用して取引きする場合には、そのアノマリーが有効であるか事前に検証したほうがよいです。

またアノマリーには以前は確かに当てはまっていたけど、今は当てはまらないというものもあるので注意が必要です。

株で有名な4つのアノマリー

①12月の株価は安く、1月の株価は高い

これは昔から言われているアノマリーで、12月は年末にかけて株価は安くなって年始はその反動で高くなるというものです。

12月は機関投資家の決算月だから!?

12月はプロの投資家が節税のために含み損の株式を売却することが多く、大口の投資家の売りが優勢になりやすいので、12月は安くなる傾向があると言われています。

海外の投資家もクリスマス休暇に入るので、取引量が減って株価が動きやすい状況なのも1つの要因かもしれません。

こうして12月に売られると、その反動で1月は買いが優勢になりやすいというのが、このアノマリーのいわれのようです。

年始ではなく年末から高くなる!?

アノマリーでは1月に株価が高いとなっていますが、実際は少し早めのクリスマス前後から徐々に高くなる傾向もあります。

節税売りが一巡して売りの圧力が弱まるのと、このアノマリーを利用して年末に仕込む人が多いという可能性も考えられます。

年末に向けて株価が高くなることを意味する掉尾の一振(とうびのいっしん)という株式用語があるぐらいですから、年末も株価は高くなりやすい傾向がありそうです。

②ビール銘柄は夏に向けて高くなる

ビール銘柄は夏に向けて株価が高くなり、夏前に高値をつけやすいというアノマリーがあります。

ビール銘柄というのは、主にキリンビール、アサヒビール、サッポロビールの銘柄を指します。

ビールは夏に最も売れる!

どの時期にビールが最も売れると思いますか?

もちろん答えは夏です。

そうした要因もあり、ビール銘柄は夏に最も売上が大きく、逆に冬は売上が小さくなります。

こういう季節によって業績が変動する銘柄のことを季節銘柄(シーズンストック)といいます。

季節銘柄は業績だけでなくて、株価も連動するように動くものが多いです。

そのためビール銘柄は夏に向けて高くなりやすいです。

ただ真夏に高値をつけるかといえば、そうではなく、その少し前の5月頃に高値をつけることが多いようです。

このアノマリーは特に猛暑が予想される年は起こりやすい傾向があります。

理由は売れ行きが好調になることが見込まれるからですね。逆に冷夏予想の年は売れ行き懸念で売られることもあるので注意です。

ビール以外の季節銘柄

ビール以外にも季節銘柄はありますが、どちらかというと夏の季節銘柄が多いです。

例えば、清涼飲料水、アイスクリーム、エアコン、衣料(クールビズ関連)などがあります。

ただビール以外だと有名なのは清涼飲料水ぐらいですね。

その他はビール、清涼飲料水と比べるとあまり季節銘柄の傾向は強くないかもしれません。

③サザエさんと株価の関係

大和総研が発表したレポートによると、サザエさんの視聴率と株価の動きには関係があるそうです。

実際の取引に利用できるかといえば、それは少し難しいかもしれませんが、おもしろいアノマリーなのでご紹介します。

サザエさんの視聴率と株価の関係

このレポートを発表した大和総研は、日本を代表する金融・経済を研究している会社です。

そのような会社がサザエさんと株価の関係を真剣に調べているというのが面白いですね。

肝心のレポートの内容は、サザエさんの視聴率が上がると株価は下がり、サザエさんの視聴率が下がると株価は上がるという逆相関の関係にあるという内容。

日曜日の18:30に家でサザエさんを見ているということは、外食、買い物、旅行など消費活動を控えているということが想定され、株価は下がるという所につながります。

逆にサザエさんの視聴率が低いと、外出して消費活動を行っているということが想定され、株価は上がりやすい関係にあるとされてます。

しかもこの2つはかなり密接な関係(相関が強い関係)にあるというデータもあります。

ただし、このアノマリーを知っていても、実際のトレードに利用できるかといえば、少し難しいかと思います。

レポートはもう見れない

大和総研が発表したレポートはすでに見れないようです。

しかし研究員のひとりである吉野貴晶さんが、「サザエさんと株価の関係 行動ファイナンス入門」という本を出版しています。

より詳しい内容を知りたい場合は、そちらを読んでみてもいいかもしれません。

③二日新甫は荒れる?荒れない?

株式相場の格言に「二日新甫は荒れる」というものがあります。

「二日新甫」というのは、その月の最初の取引日が2日で始まる月のことです。

そういう月は相場が荒れやすいという格言です。

あまり信憑性は高くない!?

このアノマリーの信憑性はあまり高くありません。

このアノマリーは、1950年代や1970年代の大昔に、二日新甫の月に相場が大きく荒れたことがあった為、このように言われるようになりました。

しかし、これはあくまで偶然の可能性が高く、そこまで高い信憑性はありません。

実際に検証してみた!

1991~2012年までのデータを基に、実際に二日新甫の相場を検証してみました。

この期間の二日新甫は34回あります。

そして調べた結果がこちら。

年月 終値-始値 %
1991年09月 1587.59 △6.6%
1991年12月 338.25 △1.5%
1992年03月 -2002.18 ▲10.3%
1992年11月 951.15 △5.4%
1993年08月 633.86 △3.0%
1994年05月 1325.06 △6.3%
1995年10月 -266.74 ▲1.5%
1996年09月 1369.80 △6.4%
1996年12月 -1673.59 ▲8.6%
1997年06月 521.45 △2.5%
1998年02月 146.66 △0.9%
1998年03月 -373.83 ▲2.3%
1998年11月 1235.42 △8.3%
1999年08月 -390.68 ▲2.2%
2000年10月 -1196.11 ▲8.2%
2001年04月 876.67 △6.3%
2001年07月 -1068.89 ▲9.0%
2002年09月 -181.61 ▲1.9%
2002年12月 -629.66 ▲7.3%
2003年06月 592.89 △6.5%
2004年02月 256.99 △2.3%
2004年08月 -192.66 ▲1.7%
2005年05月 322.38 △2.9%
2006年10月 230.39 △1.4%
2007年04月 54.16 △0.3%
2007年07月 -890.15 ▲5.2%
2008年06月 -861.58 ▲6.4%
2009年02月 -340.09 ▲4.5%
2009年03月 655.25 △8.1%
2009年11月 -558.22 ▲6.0%
2010年08月 -750.58 ▲8.5%
2011年05月 -270.66 ▲2.8%
2012年04月 -640.83 ▲6.7%
2012年07月 -408.73 ▲4.7%

株価が高くなった月は16回、低くなった月は18回でした。

1991~2012年の全期間では高くなったのが130回、低くなった月が134回とほぼ同じ割合なので、特に目立った違いはありませんでした。

相場の荒れ具合を示す標準偏差を調べても、特に目立った数値は出ずいたって普通でした。

アノマリーや格言には、このように全く実際の相場に当てはまらないケースもあります。

まとめ

この記事ではアノマリーの意味と、具体的な4つのアノマリーをご紹介しました。

アノマリーとはそもそもが合理的な説明のできない現象の事を指しますので、100%アノマリーを信じて取引を行うような事はせず、あくまで知識程度で取り入れておくといいでしょう。