実際の投資先を決めているイラスト

前回までの内容で、すでにネット証券の口座でインデックスファンドを注文できる状態になっていると思います。

ただ、実際に投資をするとなれば、「具体的にどのインデックスファンドに、どのくらい額から投資すればいいの??」と疑問に感じてしまうと思います。

そこで今回は、投資初心者が最初に投資すべき具体的なインデックスファンドとその投資配分について詳しくご紹介したいと思います。

どのインデックスに投資するべきか?

一概にインデックスといっても、第2回で紹介した「TOPIX」や「S&P500」「MSCIコクサイ・インデックス」など、日本か海外かの地域別や株式か債券かなどの資産別で、たくさんの種類のインデックスが出されており、投資初心者からすれば、正直どのインデックスに投資すればいいのか全く分からないと思います。

なので今回は、投資初心者がマネできて、かつ、老後の生活や将来のライフイベントに向けて長期安全に投資できる「GPIFのポートフォリオ」を参考に、具体的なインデックスとインデックスファンドをご紹介していきます。

変な英語と横文字が続いてますが、なるべく噛み砕いて、簡単に説明しますのでご安心ください。

GPIFとは?

GPIFとは、(Government Pension Investment Fund)の略で、日本語では年金積立金管理運用独立行政法人と呼ばれています。

実は、現役世代の皆さんが支払っている年金の保険料は、今の年金受給者であるご高齢者の方々に年金という形で支払われていますが、日本は少子高齢化が進んでいるので、現役世代が支払った保険料をそのまま高齢者に給付しているだけでは、将来的に、現役世代の保険料の負担額がドンドン重くなっていきます。

そこで、GPIFは皆さんの支払った保険料の内、高齢者に支払われなかった分を年金積立金として積み立てて、そのお金を実際に市場に投資をして増やしています

GPIFは厚生労働省所管の政府機関であり、なんと約160兆円もの資金を運用する世界最大の機関投資家でもあります。

このGPIFは国民の支払った年金を元手に投資をしてますので、彼らは「年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目標※1とした長期分散投資を行っています。

実際にGPIFは、長期安定投資を目指し「国内債券(35%)」「国内株式(25%)」「外国債券(15%)」「外国株式(25%)」を組み合わせて投資をしています。

GPIFの基本ポートフォリオの構成割合
(出典:GPIF『基本ポートフォリオで定める資産構成割合』)

GPIFはこの安定したポートフォリオで、2001年の運用開始以降、年率+3.02%、収益額は累積+67.9兆円とプラスの運用を続けています。※2

皆さんが実際に投資をする際には、最初はこのGPIFのポートフォリオを参考に投資をしてみるといいでしょう。仮に、よりリターンを高めたいと思った場合には全体のポートフォリオに占める株式の比率を上げて、逆により安定させたい場合には債権の比率を高める等、後から自由に組み替える事もできます。

実際、このポートフォリオの組み合わせの利回りを計算してみると、2019年9月末から遡って20年間運用した場合の年利は約3%、10年前に投資した場合の年利は約5%になります。※3

仮に、20年前にこのポートフォリオで投資をした場合、最終的な投資元本720万円に対して、運用収益は+約260万円ほどです。10年前に投資していれば、最終的な投資元本360万円に対して、運用収益は+約100万円です。   

もちろん、GPIFのポートフォリオは債権が組み込まれた安定したモデルですので、リターンが極めて高いという訳ではありませんが、老後の生活に向けて安定した運用ができるという点で、投資初心者が最初に投資するポートフォリオとしては適していると思います。

各資産クラス別のおすすめインデックスファンド

では実際に、「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」の4つの資産クラス別におすすめのインデックスファンドを紹介していきます。

基本的にインデックスファンドを選ぶ際には、運用コスト純資産総額を確認します。

インデックスファンドの投資にかかるコストは、主にインデックスファンド保有時に管理費用としてかかる「信託報酬」と、購入時にかかる「販売手数料」の2つです。つみたてNISAの場合は基本的に購入手数料がかからない投資信託(インデックスファンド)だけが対象ですので、コストに関しては、なるべく信託報酬の安いインデックスファンドを選べばいいです。

後でコスト別にオススメのインデックスファンドをご紹介します。

純資産総額はそのインデックスファンドの規模を表します。規模が小さいという事はあまり人気がない事を意味しますし、投資できる資金が少なければ、それだけ効率的な分散投資ができませんので、純資産総額はなるべく高いインデックスファンドを選ぶようにしましょう

では、この販売手数料と純資産総額の2点でオススメのインデックスファンドをご紹介していきますね。

①国内株式のランキング

国内株式で運用されるインデックスファンドのベンチマークは「TOPIX」や「日経平均株価」が一般的です。日経平均株価は東証1部上場企業の内の代表的な225銘柄の平均株価であるのに対して、TOPIXは東証1部の全銘柄を対象にした株価指数です。

TOPIXの方が日経平均株価よりも、より広い分散投資を行う事ができますので、今回は国内株式のベンチマークとして「TOPIX」を採用しましょう。

TOPIXへの連動を目指すインデックスファンドでのオススメランキングは以下になります。

順位 ファンド名 信託報酬
(税込)
純資産総額
1位 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.154% 11,673百万円
1位 ニッセイTOPIXインデックスファンド 0.154% 26,227百万円
1位 iFree TOPIXインデックス 0.154% 1,367百万円
4位 Smart-i TOPIXインデックス 0.1705% 464百万円
5位 三井住友・DC つみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.176% 29,644百万円

※2019年11月2日現在の数字です。

TOP5はどれも信託報酬、純資産総額共に問題のないインデックスファンドですので、迷った場合にはランキング1位のインデックスファンドを選ぶようにしましょう!

②国内債権のランキング

国内債券に関しては、NOMURA-BPI総合という国内債券のメジャーなベンチマークがあります。以下のインデックスファンドは全てこの「NOMURA-BPI総合」と連動するように運用されています。

順位 ファンド名 信託報酬
(税込)
純資産総額
1位 eMAXIS Slim 国内債券インデックス 0.132% 7,008百万円
1位 ニッセイ国内債券インデックスファンド 0.132% 7,876百万円
1位 iFree 日本債券インデックス 0.132% 172百万円
1位 Smart-i 国内債券インデックス 0.132% 402百万円
5位 たわらノーロード 国内債券 0.154% 11,454百万円

※2019年11月7日現在の数字です。
※iFreeは新発10年国債利回りが1%未満の場合の信託報酬になります。

③外国株式のランキング

外国株式に関しては、「MSCIコクサイ・インデックス」という代表的なベンチマークがあります。

日本と新興国を除いた主要先進国22カ国に上場している大型株・中型株が時価総額が大きい順に約1300銘柄が構成銘柄となっています。

時価総額が大きい順に組み込まれていますので、必然的に市場の大きい米国株式の比率が高く、国別の構成比で見てもアメリカの65%がダントツで、次いでイギリス7.3%、フランス4.4%と続いてきます。

構成比率の上位10銘柄には「アップル・マイクロソフト・アマゾン・フェイスブック」等のアメリカを代表する大企業が含まれています。なので、「外国に投資をしたいけど、どうやって分散投資すればいいのか分からない」という方は、このMSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドに投資をする事で、簡単にグローバルに分散投資を行う事ができちゃいます。

そんなMSCIコクサイ・インデックスへの連動を目指すインデックスファンドのオススメランキングは以下になります。

順位 ファンド名 信託報酬
(税込)
純資産総額
1位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.10989% 65,019百万円
1位 ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.10989% 141,844百万円
1位 たわらノーロード 先進国株式 0.10989% 42,027百万円
4位 iFree 外国株式インデックス 0.209% 884百万円
4位 i-SMT グローバル株式インデックス 0.209% 140百万円

※2019年11月7日現在の数字です。

④外国債券のランキング

外国国債の主要なインデックスが「FTSE世界国債インデックス」です。

先進国国債の動向を表す代表的なインデックスで、多くの機関投資家やGPIFなどが外国債券のベンチマークとして利用しています。

このFTSE世界国債インデックスをベンチマークとして採用しているインデックスファンドは以下になります。

順位 ファンド名 信託報酬
(税込)
純資産総額
1位 eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 0.154% 6,260百万円
1位 ニッセイ外国債券インデックスファンド 0.154% 11,737百万円
3位 たわらノーロード 先進国債券 0.187% 10,314百万円
3位 Smart-i 先進国債券インデックス 0.187% 361百万円
5位 iFree 外国債券インデックス 0.198% 1,703百万円

※2019年11月7日現在の数字です。

実際の投資額は?

ここまでで、最初に皆さんがマネするべきポートフォリオとしてGPIF(金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオを、さらに、それぞれのアセットクラス別にオススメのベンチマークとそれに連動するインデックスファンドをコスト比較でご紹介しました。

では、次に実際にいくらぐらいからどのように投資するのかという話に移りますね。

おそらく、この記事を読んでいる皆さんは、今回が一番最初の投資になると思います。

いきなり「毎月10万円から積立投資していきましょう!」と言われても、急にそんな額からスタートするのは怖いですよね。

実際の積立投資では、後から何度でも積立額を変更する事ができますので、最初は少額の「毎月1万円」くらいからのスタートでもいいでしょう。

もちろん、つみたてNISAは毎月最大で約3万3千円ほど投資できますので、自分はつみたてNISAの非課税枠をフル活用したいので、毎月3万円ほどから積立投資をスタートするでもいいでしょう。

少額から投資をスタートして、ある程度慣れたら徐々に毎月の積立額を増やしていくという方法がオススメです。

実際の投資額の配分は、例えば「私は1万円で始める!」と決めたのであれば、GPIFのポートフォリをマネて、「国内債券(3,500円)」「国内株式(2,500円)」「外国債券(1,500円)」「外国株式(2,500円)」というように分散投資をすればOKです。

その際に選ぶインデックスファンドは、先程紹介した信託報酬が安くて、純資産総額の大きいファンドを選ぶようにしましょう!

「ランキングから選ぶのはめんどくさい!」という方であれば、全て「eMAXIS Slim」というファンドを選べばいいでしょう。

三菱ufj国際投信が運営するインデックスファンド・シリーズで、「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」と公言しており、仮に競合のインデックスファンドの信託報酬がeMALIS Slimよりも安くなった場合には、このeMAXIS Slimの信託報酬もそれに合わせてコスト見直しが行われるようになっており、いわば「永久に最低コストが約束されたファンド」と言う事ができます。

事実、「投資信託ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」も受賞している、人気の投信ファンドです。

バフェット的には「S&P500」だけでも良い!

ここまで投資初心者の皆さんが、より安心して投資ができるよう、GPIFのポートフォリオを使い様々なアセットクラスに分散投資を行う方法をご紹介しました。

しかし、中には「自分は今も右肩上がりで成長してて、今後も成長が期待できるアメリカの市場に分散投資がしたい!」という方も多くいらっしゃると思います。

事実、楽天証券が2019年8月末に行った「今後、投資してみたい国」アンケートでも、トップがアメリカの44.93%となっており、投資家の期待が高い事が伺えます。※4

そんなアメリカに分散投資を行いたいという人は、S&P500に連動するインデックスファンドに投資する事をオススメします。

S&P500とは前回もご紹介しましたが、アメリカのニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場してる代表的な500銘柄で構成された株価指数で、米国株式市場の約80%の時価総額をカバーしています。

他にもNYダウやナスダックなどの株価指数がありますが、NYダウはアメリカを代表する30銘柄の平均株価の指数、ナスダック総合指数はナスダックと呼ばれるアメリカのベンチャー向けの証券取引所に上場してる全銘柄を時価総額加重平均で算出した指数です。

一方で、S&P500はNY証券取引所やナスダックに上場してる500銘柄を構成銘柄とした指数なので、アメリカの株式市場全体の動向を測る指標としてより適切と言えます。

事実、投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェット氏も自分が亡くなった後の資産の運用方法について、10%の現金で米国短期債を買い、残る90%の現金でS&P500に連動する非常に低コストのインデックスファンドを購入する事を推奨しています。※5

また、これも第2回で説明しましたが、プリンストン大学経済学博士でアメリカン証券取引所理事を歴任したバートン・マルキール氏もその著書で「S&P500指数そのものに投資すれば、長期的にはほとんどの投資のプロを上回るパフォーマンスを上げる事ができる」と述べており、こうした点からもS&P500への投資の有効性が理解できますよね。

ではここでもS&P500に連動した運用成績をめざすオススメのインデックスファンドをご紹介したいと思います。

順位 ファンド名 信託報酬
(税込)
純資産総額
1位 SBI・バンガード・S&P500 0.0938% 3,743百万円
2位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.165% 34,486百万円
3位 iFree S&P500インデックス 0.2475% 8,844百万円

※2019年11月7日現在の数字です。

SBI・バンガード・S&P500が現在(2019年11月7日)は、信託報酬が最も安いです。

実際にランキング1位となっていますが、あのeMXIS Slimが黙っているはずありませんよね。

事実、つい先日、eMAXIS Slimを運営する三菱UFJ国際投信株式会社は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬を「0.165%→0.0938%」に引き下げる事を発表しました!※6

この信託報酬は、2019年11月12日から適応されます。

純資産総額で見ても、SBI・バンガード・S&P500よりeMAXIS Slimの方が高いので、S&P500に関しても、特に迷わず「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選べばいいでしょう。

まとめ

なるべくリスクを減らして安定した投資を行いたい場合には、GPIFのポートフォリオを参考に少額から投資してみましょう

また、各アセットクラスへの投資では「eMAXI Slim」と呼ばれるファンドが公式に「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」と発表しており、コスト面で見た時にはオススメのインデックスファンドです。

ではでは、実際に投資するインデックスファンドと投資額が決まった所で、次回は実際にSBI証券でインデックスファンドを注文してみましょう!

そういうのは得意じゃないという人でも、簡単に注文する事ができよう、実際の注文画面のイラスト付きで丁寧に紹介していきます!!

参考文献

1:出典:GPIF公式サイト『投資原則・行動規範』
2:出典:GPIF公式サイト『2019年度第2四半期運用状況(速報) 』
3:利回りの計算は、「NOMURA-BPI総合(国内債券)・国内株式:TOPIX(配当込み)(国内株式)・シティグループ世界国債インデックス(除く日本、円貨換算、ヘッジなし)(外国債券)・MSCI-KOKUSAI(円貨換算、配当込み、グロス)(外国株式)」の年率参考に計算してます。
4:出典:楽天証券『楽天DI2019年8月』
5:出典:マネックス証券『ウォーレン・バフェットが個人投資家に勧めた投資法とは?』
6:出典:三菱UFJ国際投信株式会社 PressReleaseより